id:riverwom
知らんがなのことを語る

夏目漱石「行人」の場合は胸キュンポイントが2箇所あった。
http://www.aozora.gr.jp/cards/000148/files/775_14942.html

> 洋服を着て下へ降りて見ると、お兼さんはいつの間にかもう着物も帯も取り換えていた。
> 「早いですね」
> 「ええ早変り」

いいですよね。『ええ早変り』。

> 芳江が「叔父さんちょっといらっしゃい」と次の間から小さな手を出して自分を招いた。
> 「何だい」と立って行くと彼女はどこからか、大きな信玄袋を引摺り出して、 「これお貞さんのよ、見せたげましょうか」と自慢らしく自分を見た。彼女は信玄袋の中から天鵞絨で張った四角な箱を出した。自分はその中にある真珠の指環を手に取って、ふんと云いながら眺めた。
> 芳江は「これもよ」と云って、今度は海老茶色のを出したが、これは自分が洗濯その他の世話になった礼に買ってやった宝石なしの単純な金の指環であった。彼女はまた「これもよ」と云って、繻珍の紙入を出した。

かわいいですよね。『これもよ』。

問題は小説の本文は忘れてるってことなんだよな。