[ふと思い出したこと]
「指輪物語」世界の神話時代にあたる話をおさめた「シルマリルの物語」の中で
かつて神代の中つ国は平らな世界で、神々が住む地ヴァリノールとは、離れてはいても同じ海の上だったんですね
そして英雄の子孫の人間たちが住む島が、神々の国と中つ国の中間にあったんです
でもお約束で、人間の王の驕り乱心堕落のために英雄の島は沈められてしまい、
ついでに大地は丸い球に変えられ、切り離された神々の国は別の次元へ遠ざかってしまいます
心正しかった少数の人間は船で逃れて中つ国にたどりつき、新しい国を作ります(そのひとつが指輪物語に出てくるゴンドール)
で、神々の国へは選ばれた者がエルフの作った魔法の船でしか行けなくなってしまう(指輪物語のラストシーン)、と…
トールキン教授はカトリック信徒だけど地動説も進化論も知ってて戦後まで生きてた現代人で
ナルニアを書いたルイスよりかはずっとリベラルな人だったと思うんだけど
やっぱりこの、中つ国が 神々と地続きの平らな世界から
「閉じられた」丸い地球へ作り変えられる神話を読んで
科学の進歩によって失われた「世界の果て」や
そこにある神秘だったものごとへの、あこがれの心を感じるのデス
地球が丸い、ということを発見したのは科学の成果であって事実、だけれど
それを知ったとき 人々の想像力は
「どこまでも行ったら同じ場所に戻ってきてしまう。世界の果てなんかなかったんだ」という事実にとらわれ
この丸い球に閉じ込められたのではないか、と
それは聖書の 知恵の実を食べて、楽園を追放された行為を なぞっているのではないか、と。
言いたかったんじゃないかなあ…
ある読み方をすれば、ですけどね
