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ドアのブのことを語る

義母
さっき喜寿のお祝い品を、子供たちの歌を録音したカードを添えて発送したんだけど
あのお母さんは、またきっと感激して泣きながら電話して来るんだろうな
結婚して感じたお互いの家庭のギャップのひとつなんだけど
ダンナさんのお母さんと会って
「母親というものは人前で泣くものなのか。泣いていいものだったのか」
って、会ってすぐ、すごくショックを受けた覚えがある
義母は本当に純粋というか、苦労はしたはずなのに77になっても「乙女」としか形容できない性格で
孫の成長に感激しては泣き、子どもたちに申し訳ないことをした、と言っては泣きして
そのたび遠くからダンナさんへお詫びの電話をしてきたり、心境を書面に切々としたためてくるのだ

ワタシの母などはそれを聴くとバッサリと「ああ、【嫁】したことがないからだろうねぇ」と言う
実母はまったく「意地」の人で
もう帰る覚悟はない気持ちで しがらみの多い村落の、農家の長男に嫁ぎ
田んぼの仕事もして、子供の前で涙など見せず、病気でも泣き言を言わずおさんどんをして
いつもきめ細かく子どもの世話を焼き、祖父母の介護をして看取った
「それは私の性格だから」と笑うけれど
そういう意地っ張りの性格でなければ ワタシの生まれた家で嫁と妻と母をやることはできなかったのだと思う きっと家を出ていた
そして ワタシも母になったからには、「実母のように家族中心にあるべし」 と思ってきたし
それがあるときは励みになり、あるときはひどく重く死にたいほどだった

この世にはいろいろな母がいていいのだし それでいいのだ
ということを、少女のような義母から教わっている気がする
(でもちょっと実母とは別のベクトルで一緒に暮らすのはシンドイと思う)