[森美術館の話]
○すべての男がそうだとは思えない・思わないけど、男の場合、えっちしてるときにかわいいとかそういうのではなくて、食べちゃいたいとか骨が砕けるほど抱きしめたいとか、人って変な狂気があるときがある気がしてならんかったり。そういう側面をまったく理解できないわけではない。変な狂気をひとは持ってる場合があったとしてその場合それを実行に移すかどうかは別問題として、たとえば首輪とか、凌辱するものとか、絵画に描くのは別にかまわないとは思う。マンガでもエロDVDでも、男性・女性を対象とした、凌辱ものや拘束もの、SMというのはあって、内心そういうことをしたい人はそこそこいるんじゃないかな、と。ただそれを、公然と陳列することには抵抗がある場合が多いのではないか。というのは性という人間の本能のようなものに対して人間自身の品位が反発することによって羞恥心って形成されるからで、それが性行為非公然原則とか性の非公然原則になり、あまり表に出すようなことをしなくなるからっす。たとえわいせつ性のあるものについてそれが芸術と名をつけたとしても芸術かどうかというのはおそらく一部を説得できてもすべてを説得できないと思う。
○当該作品群が都条例に当たるか、というとおそらくあたるだろう、という気がする。8条1項2号の漫画やアニメーションなど画像により刑罰法規に触れるものとか性交又は性交類似行為を不当に賛美し又は不当に誇張するように描写又は表現したものともとらえうるし、著しく社会規範に反する性交・性交類似行為を著しく不当に賛美し、又は著しく不当に誇張するように描写又は表現しているものともいえないわけでもないきがしてならんかったり。おそらく画集にしたら不健全指定の対象となるかも。ただそれでも未成年に販売ができないだけで、未成年以外に販売という判断になるかなあ。
○芸術かわいせつというのは、性器が見えるか見えないか、というので判断する場合があります。でもロバートメイプルソープの画集は性器が写っててもわいせつとして判断してなくて(ただし男性の)オッケイだったので、ちょっと少しずつ動いてるかも。慎重にならなければならんような。ただいわゆる「わいせつの3要件」というのがありまして「いたずらに性欲を興奮又は刺激させ、かつ、普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反するものをいう」としてきました(最大判S32・3・13刑集11巻3号997頁)。今回変な動物みたいなものが、パンツの中に入り込んでるようなのがあるんだけどおそらくそこらへん、ひっかかるかもしれなかったり。もしかしたら事後になにかしらあるかもしれないが。あ、でもないかなー、おそらくコンプラに関する部署が事前にチェックしてるかな。
○で、美術館にある作品で、脳内の妄想というか、たぶん「あなた、こういうこと、したいんじゃない」という内なる攻撃性を問いかける意図を持つ場合、作品として成立はすることがあるのではないか。もちろんすべての人がもってるものではないから、理解はされにくいはず。その点、女の人にたいしてそういうふうにしたいと思うことが無い・むしろおれ穴にへんなのいれられてぐりぐりされたりとかそんなことされたらいやだなあと思っちまうような妙な人間だから、理解してないかもだし、そもそもそれは芸術じゃないよ、なこかもしれないんだけど。で、作者の「こうしたい」という脳内の妄想を垂れ流しに過ぎないような気がする。ほんとに芸術なのか、芸術家じゃないからわかんないけど。
○森美術館がなにをしたいのか、おそらく春画から続く日本の芸術というのはそういう妄想に支えられてる、という皮肉ならわからんでもないけど。
○で、侮蔑表現問題ってのがあります。アメリカの話ですけど、黒人差別的侮蔑表現を蔓延させたら直接侮蔑の対象となった黒人のみならず広く黒人一般を蔑視する環境につながりはしないか、っていう考え方で、これがポルノ規制にも関係していて、女性が性的な尊厳を傷つけられてるようなそんな表現が蔓延したら無意識のうちに性における男性至上主義や女性蔑視が形成され女性差別を一層固定化させるのでは?っていう問題提起がありました。こういう考え方がアメリカでは性的表現に法的規制をっていう主張の、バックボーンになってた記憶があります。正直、ちょっと傾聴に値するんじゃないか、などと思ってます。判りやすい例でいえば、性モラルの低い存在として描かれた同性愛者のマンガばかり見てたら、同性愛者ってのは性的モラルが低いんじゃないの、的な変な固定観念ができちまうような。おそらく今回の作品群はその侮蔑表現ってのを促進しちまうところが無いわけでもないような気が。
○でも、表現の自由の規制というのはほんとは避けたほうが良いのではないか、と思うところもあるので、このての話ぐるぐるしちまうのですけども。
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