id:gustav5 は
自分(id:gustav5)のことを語る

「人間の変貌の奇蹟を、一旦こうして目のあたりにした以上、私自身も多少変わらざるを得ませんでした。自分を確乎たる人間と信じる私の素朴な確信は、不安にさらされて自からわざとらしいものになり、確信であったものが意思に変わり、自然であったものが当為に変わりました。尤もこのことは裁判官という私の職業に或る利得をもたらしました。犯人を扱う場合に、いわゆる応報主義と教育主義、人間性に関する悲観論と楽観論の、どちらにも偏ることなく、ある状況における人間の変貌の可能性を信ずることができたからです」
三島由紀夫「豊饒の海」第二巻『奔馬』

裁判官が物語の中に出てくる少年に当てた手紙なんすが「ある状況における人間の変貌の可能性」というのがけっこう重要で、團藤先生は犯罪に関して趣旨としてはかなり意訳すると「性格から犯罪が生起されるわけでもなく犯罪者の素質がある人間が犯罪を起こすものでもないし、犯罪は行為に重点を置きながらその背後にあるその人の主体性ってのを重視しなきゃ」ってのがあるんすが、それがここらへんに出てくるような気がしてならんのです。團藤先生の授業をとってたのが平岡さん、三島さんです。
でもって團藤先生っていろんな人に影響を与えたんすけど、巨星墜つ、の一言に尽きるなあ。