【週末紙屑部じゃないけど馬の話 (というか馬映画の話) 】
つい最近、馬が登場する映画をいろいろ集めてみたよ的なのをネット上で見かけ(それ自体は海外の)。 それを紹介している人が “馬が登場する映画といえば、そりゃあ あれも入ってますよね、当然…” みたいな書き方をしていたので、私は咄嗟に、“「ニーチェの馬」 か?” と思ったのですが。
いざ中身を見てみると、「シービスケット」 や 「戦火の馬」 等、馬がストレートに活躍する内容の映画が並ぶ一方で、馬の活躍の方向性がまったく異なる作品 「ゴッドファーザー」 も入っており。 あれも入ってますよね当然… という “…” 部分の含みはこれだったか、と ちょっとツボった(「ゴッドファーザー」 で 馬といえば、ご覧になったことのある方には伝わるかと思います、“マフィアに逆らうと こうなるよ” という、例の映画プロデューサー邸におけるシーンですね、はい)。
結局、その中に 「ニーチェの馬」 は入ってなかったわけですが。 馬の登場する映画、と聞いて真っ先にこれが思い浮かんだというのも、この作品が好きだというよりは、お手上げだった、という意識が強いからなんですが。
見たあと、当時いろいろと解釈を試みたんですけれども。 なんというか、自分のその解釈が 《この作品を評する際、おそらく多くの場合において なされるであろう、通り一遍の解釈》 というふうに、自分で感じられてしまい。 だとしたら、これは自分の心底からの考えであると果たして言えるのだろうか、いや、どこか違う、という違和感ばかりが残って、 結局、「ニーチェの馬」 は自分には咀嚼し切れない、という感じで終わってしまった。 だから、馬の登場する映画、と聞いて、自分の中に取り込めなかったこの作品のことが、むしろ思い浮かんだのでした。 あのあと、映画誌キネマ旬報が毎年やってる映画ベストテンの読者投票で、読者選出のその年の1位に この 「ニーチェの馬」 が選ばれていて、キネ旬の読者すげーなおい、と思いましたあの時。
ちなみに、「ニーチェの馬」 を見た際、若干居眠りしました。 だ、だって、あんな感じの映画だし…!( “やーあれは居眠りしてもしかたがないよ” と、見たことのある人は言ってくれるに違いないという期待をもってのどうでもいい報告)。
