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あんとわのことを語る

【4月に入ってから見た映画①】

ついたちの 映画の日に見たのは、
昨年のカンヌ国際映画祭監督賞受賞作品、
デンマーク出身のニコラス・ウィンディング・レフン監督作、
ライアン・ゴズリング主演 『ドライヴ』。

昼の仕事のほかに、“犯罪現場からの逃走時の運転” を請け負い、
過去に “何か” があったことも匂わせる男が、
ひとりの女性を好きになったことから 命がけの壮絶な事態に
巻き込まれてゆく、というストーリーで、
その流れ自体は 決して珍しいものではないのに、
なんというか、間の取り方が絶妙で、登場人物が沈黙しているシーンでさえ
かえって この映画の中にひきこまれ、むしろ、沈黙しているシーンでこそ
釘付けになってしまうような、いい意味で とても不思議な映画でした。

ライアン・ゴズリングの演技が、非常に素晴しかったです。
寡黙な男を演じている分、ふとした表情にこめられた心情や、
そこから一転して、強烈なバイオレンスシーンで見せる
瞬間的な “狂気” の表情など。
なにか特殊なキャラクター付けをされている役でもなく、
必要以上に奇をてらったことをしない演技なのに、見る者が
ひきつけられる。
以前から その出演作は見ていましたが、最近の何本かの出演作で、
以前にもまして ますます素晴しい演技を披露しているのを見て、
「日本での知名度が もっともっと高くなればいいのに!
もっともっと大勢の日本の映画ファンが この人のこと見たらいいのに!」
という気持ちにすらなります。
たとえば 『ブルー バレンタイン』 など、あの さりげない演技は
本当に素晴しい。

『ドライヴ』 では、車の運転シーンも とてもかっこいいです。