全英オープンをこの時点で既に五回優勝しているバードンと、二十歳でアマチュアのオウィメットの対決になるのだけども、この二人ともが労働者階級出身で、それぞれが当時のイギリスとアメリカで、ことあるごとに上流階級層に侮られるのね。ゴルフがまだ、上流階層者しかやらなかったものだから。
ウィメットは大会参加をなかなか認めてもらえないし、プロになり実績を上げ続けているバードンも、クラブに入会させてもらえず、「プロ=金のためにスポーツする人間」として嘲られる。そのくせ、この二人に優勝がかかり始めると、「祖国のためにがんばれ」とか言い出して、よけいな手出し口出しを始める。
当時「一般庶民が真剣にスポーツをすること」がいかに八方ふさがりだったかがよくわかる話だった。
萩尾望都のあのマンガでは、主人公がやっぱり似た状況のテニスプレイヤーで、プロになって、勝とうが負けようが強かろうが弱かろうが、蔑まれ憎まれ認められない、そういう描写があった。
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