【勝手に引用】【メモ】
「うつの医療人類学④ 鬱、ジェンダー、回復ーー「諦観の哲学」をめぐって②」北中淳子(『こころの科学 160号』)
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バスフィールドの主張によると、よりバイオロジカルな性質の病(精神病の中核にあるもの)に関してはそれほど性差がみられないものの、中核から周縁へといくにしたがって精神障害はより「文化的」な病になると考えられる。
この主張の真偽については、より詳細な懸賞が必要であるが、うつ病の経験にジェンダー差が色濃く出ているのは確かであり、ヨーロッパで行われた大規模なうつ病の疫学調査(DEPRES)をみても、男女のうつ病はそれぞれ異なる構造化をみせている。(pp.157-158)
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1.うつ病の語り(プレゼンテーション)の違い
男……主に仕事、経済といった「公的領域」における問題を中心に据える
女……「公的領域」の問題があっても「私的領域」に用意にシフトする
→問題視されにくい、まとまりをもたせにくい、医師がき共感しにくい
○女性の社会での役割の多さに起因するか?
2.どういった経路で医療の助けを求めるか?→医師との関係
男……医師・患者の関係性が良好に築きやすい→ある種のパターナリズムに安心感をもち、患者像に身を任せて回復していく
女……築きにくい。ドクターショッピングを繰り返すことが多々ある→依存への欲求と自己コントロールへの希求とのあいだでゆれる
3.回復をめぐる語り
女性には年齢差がみられる
40代以上……男性と似た「諦観」の哲学。居直る感。
30代以下……キャリアとの葛藤、「自己実現」における挫折。病気であることを認めてほしいと願う一方で、自分のそれが本当に病気か、自己実現の失敗にすぎないのではと悩み続ける。
一般に男性には「職場復帰=治癒の証」という神話があるが、女性にはいまだそういった神話がない。
開発国と発展途上国、またそれに類する格差のある地域でのうつ病の罹患率、また統合失調症の予後についても格差が見られる。全般に、開発国では前者が高く後者が悪い。
社会全体の「希望」の有無も大きく関連するか。
