(ナポレオンの海洋封鎖について)ナポレオンがコーヒーのことなど念頭に入れていなかったと想定するのは難しい。ロクな栄養もないわりに、なんとなく元気が出るコーヒーを、なによりも元気が取り柄の軍隊の食事に採用したのはナポレオンだといわれている。そのコーヒーをどうするつもりなのか。産業に頼る他はない。難しいが、ナポレオンは不可能を知らない。
臼井隆一郎『コーヒーが廻り 世界史が廻る』第5章より
なんともいえない味わいのある文言だなと思って。この本、「見たきたかのように語る」系でとっても楽しいです。
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(ナポレオンの海洋封鎖について)ナポレオンがコーヒーのことなど念頭に入れていなかったと想定するのは難しい。ロクな栄養もないわりに、なんとなく元気が出るコーヒーを、なによりも元気が取り柄の軍隊の食事に採用したのはナポレオンだといわれている。そのコーヒーをどうするつもりなのか。産業に頼る他はない。難しいが、ナポレオンは不可能を知らない。
臼井隆一郎『コーヒーが廻り 世界史が廻る』第5章より
なんともいえない味わいのある文言だなと思って。この本、「見たきたかのように語る」系でとっても楽しいです。
めいきょう しすい【明鏡止水】……(中略)……、落ち着いた静かな心境。[不明朗のうわさが有る高官などが、世間に対して弁明する時などによく使われる]
by 新明解国語辞典 第六版
「明鏡止水」の用例で、そんなことがどうしても言いたい山田ファミリーであった。
「決心したの?」
「いや」
「じゃあ、あなたは決心したのよ。決心していないなんていう決心はないと思うから。あなたは決心したから眠れないんだわ」
(ジョン・ル・カレ『われらが背きし者』訳:上岡伸雄/上杉隼人)
このあたりの一連のあれこれを読めただけでもよしとせねばなるまい。あと、大変緊迫したシーンで、上司に「鉛筆は持っているか?」と尋ねられた部下が「もちろん持っていません!」と答えた辺りでは、どうかと思うくらい笑った。緊張でおかしくなっていたのだろう、私が。
読書のいいところは、何もしていないように見えて、その実、何もしていないようには見えない、という点にある。そして更にいいところは、何もしていないように見えないにもかかわらず、その実、何もしていないという点にある。
(別役実『満ち足りた人生』白水Uブックス P.63)
「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」っていう勢いで「診察室に入ると、先生が『2ちゃんねる』を見ていた」って松尾スズキが書いてた(『実況生中年』より)。決断を迫られるシチュエーションだね。