「火花」又吉直樹
・ドラマを観たので、せっかくなので
・徳永の神谷に注ぐ眼差しの熱狂と疑念のないまぜになった感じが痛々しかった
・徳永的フィナーレへ向かう心情のまとめは圧巻
・徳永は芸人として生きるために神谷を道を分かったのだけれど、引退したことで、もっと大きく道を違えたと思う。それが自分でも驚くほど、スラスラと出てきた言葉になったのではないかなぁ
・ラストの窓ガラス越しに神谷を見つめ、伝記を認める神谷は、弟子ではなくて観察者のようだ。芸人に産まれながら、芸人として生きる技術を持たない神谷を冷静に見つめている。「人間失格」が自伝という形でなく、作者を置いてあったら、こんな風かなと思った
・私が好きだった、徳永、神谷をめぐる人々はドラマの創作であったのか
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「木漏れ日に泳ぐ魚」恩田陸
不思議なお話でした。
なんか誰も救われなかったような気がする。
面白いともちょっと違うんだけど、面白かったです。
読みやすいし、あっという間に読了。
ある一定の条件下でのみやたらと惹かれるってこともあるよね。それがなくなると魔法が醒めるみたいなことも。
でもなんか、汚い部分も計算もドロドロしたところもあって人間だよね。
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『薔薇とハナムグリ シュルレアリズム・風刺短篇集』モラヴィア(著) 関口英子(訳) 光文社古典新訳文庫
・かなり好みの短篇ばかりだった(諸星大二郎のそれみたいな感じ)
・けっこう長めの解説(堤康徳)つき。読んでる途中で『暗殺の森』の原作ってあったのかそしてこの人なのかと気づいた(ゴダールの『軽蔑』もだって。
・【勝手に引用】
>官権からさまざまな干渉を受けたモラヴィアの作品は、カトリック教会からも危険視され、一九五二年には、すべての著作がローマ教皇庁の禁書目録に入れられた
……な、なんてかっこいい←おい
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「さざなみのよる」木皿泉
読んだー!出てるって知ったらいてもたってもいられず即買ってきた!1日で読み終わってしまった。勿体なくて読みたくないけど、早く読みたくて仕方なかった。
NHKでやってた富士ファミリーに纏わるお話なので、出演者で再生されてました。
亡くなったナスミから始まる物語。さざなみのようにパワフルで格好いいナスミの存在がみんなのなかに広がっていくお話。
大事な大切な人を喪っても、心のなかで生きている、というのはよくあるけど、どちらかというとその人との思い出や影響として自分のなかに生きているのかなぁ、という感じのお話でした。…[全文を見る]
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「あずかりやさん」大山淳子
あたたかい本が読みたいと思っていたので、買ってみた。
最初、読み始めたときに語り手が人じゃなかったので、苦手かも、と思ったけれど、読んじゃえば平気。
1日100円でものを預かるあずかりやさん。それ以上でもそれ以下でもなく、余計なことは聞かずにただ静かにそこにいる。
いつもあるべきものがそこにあってくれる安心感ってあるよなぁと思ったりしました。
その人たちにも日常があって、感情があるんだけど、ついつい忘れがちになり、そこにいてくれることを願ってしまうんだよね。
続編出ているみたいだけど、読もうかどうしようかなー。
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はてなブログで感想を書きました。
『子どもたちのいない世界』フィリップ・クローデル
大人向けの児童書って感じ。つい音読したくなります。
http://nakanohitsuji.hatenablog.com/entry/2018/09/15/200000
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「きょうのできごと、十年後」柴崎友香
この作品のことは何年か前に柴崎さんご本人から聞いた。でも、その時は雑誌に掲載されただけで単行本の刊行時期も未定とのことだったので、図書館で掲載雑誌を探して読んだ。
その時にも思ったけれど、今回あらためて読んでみて、ああやっぱりあの子たちにも十年の時間が流れたんだなあ、と。
十年前にもそれぞれいろんな生活をしていて、いろんな事情や悩みがあったりもしたけれど、十年後の"今"から思えば、やっぱり若い。悩みにしても、若いなりの悩みだった。
30歳とか32歳というのは人生の一つの分岐点なのかなと思う。私のその年頃ってどうだっただろう?20歳や22歳くらいの時には、この先の人生はどんなふうにもできる、選択肢は無限だ・・・・なんてことを意識はしなくても、どこかそれが当然のように思っていたことが、十年経つと現実が見えたり、否応無しの選択を迫られたりするんだよな。
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「死神の浮力」伊坂幸太郎
やっと読み終わったー。文庫本発売当時に買って、積ん読本になり、1ヶ月前くらいから手をつけてようやく読了。
あぁ、なんて重いテーマなの。と思って読み進めていくとやっぱりところどころ伊坂ワールド。
死神シリーズは好きです。
死神の精度も読み直したくなってしまいました。
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8 月
・アガサ・クリスティー『エッジウェア卿の死』……謎の美青年が単に謎の美青年でした。
・金田弘・宮腰賢『新訂 国語要説』……20数年ぶりに通読。全然覚えていないのでいちいちフレッシュな反応をしてしまいました。
・岡崎友子・森勇太『ワークブック 日本語の歴史』……上の本とセットで。中古か近代か、そのどっちかを基準に考える癖がついているので、たまに通史で勉強すると「こりがほぐれた」みたいな感じに。
・アガサ・クリスティー『オリエント急行殺人事件』……ポアロシリーズを最初から順番に読んでいくと、オリエントが始まったところで「そっかあ、ずっとこ…[全文を見る]
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はてなブログで感想を書きました。
『キャロル』パトリシア・ハイスミス
同名映画の原作小説です。
http://nakanohitsuji.hatenablog.com/entry/2018/09/01/200000
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「星宿海への道」宮本輝
ゆったりした語り口で、お話もなだらかで、劇的な展開があるのに、どこか穏やかで不思議な文体でした
関西弁の機微がわからないので、受け取り損ねたニュアンスがいっぱいあるんだろうなぁ
「おらおらでひとりいぐも」若竹千佐子
こちらは東北弁
リズムが良くて、音読したくなる
最後がよかった
思考って言葉にしなければなかったことになっちゃうけれど、誰の中にもあるのだから、大事にしなきゃなぁって思いました
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「遠くの声に耳を澄まして」宮下奈都
昨日本を持っていくのを忘れて本屋さんで買った。短編だとサクッと切り上げやすくていいよね、ということで。テーマが旅っぽかったのもポイント◎
お気に入りは「ミルクティー」。でも今の私の心情に寄り添ってくれていたのは「部屋から始まった」でした。多分タイミングによって変わると思う。
1編1編にグッとくるセリフがあったり、そうだよね、って沁みたり。みんな生きていると少しずつ、ちょっと何か噛み合わないものを抱えていて、目を瞑っていたりもするんだけど、きっかけがあったりして「遠くの声に耳を澄ませて」みたお話が多かったような気がする。
ふとまた読みたくなるようなお話で、ふわっと温かい感じのお話でした。
「コーヒーはこれからのための飲みもの。紅茶はこれまでを振り返るための飲みもの」ってフレーズがすごく気に入った。
短編集とはいえ、久しぶりに1日で1冊読みきったな。
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はてなブログで感想を書きました。
『虚人たち』筒井康隆
実験的な内容で、個人的にはあまり面白くなかったかな。
http://nakanohitsuji.hatenablog.com/entry/2018/08/18/200000
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『べつの言葉で』ジュンパ・ラヒリ
家庭では完全にベンガル語(両親の言葉)、一歩外に出れば教育、研究から執筆まですべて英語で生活してきた著者は、20代半ばの頃にイタリアを旅行し、イタリア語に魅了される。アメリカ帰国後、イタリア語の学習を開始し、その20年後、家族(夫とこども)と共にイタリアに居をかまえ、イタリア語での執筆を始める。この本はイタリア語での初の著書。エッセイと短編二編。
言語的に、人種的に、また女性として、マイノリティであるとはどういう経験をすることか、とか、非母語を学ぶこと自体のおもしろさ、その過程あたりが語られていて、とてもおもしろかった。
非母語を学んでる人にはうなずけるところがかなりあると思う。
これ実際にイタリア語で読めたらいいだろうなあ。
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「騙し絵の牙」塩田武士
・大泉洋さん当て書きで話題のミステリー、表紙も各章の扉も大泉さん
・面白かった!
・うーん、面白かった部分を書けないのが残念
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7 月
・岩井志麻子『現代百物語 終焉』ー毎夏楽しみだったこのシリーズもこれでおしまい。最後はバラエティーに富んでいて、「生きている人間がいちばんこわい」式じゃない、一線を越えそうになったり越えたりする話があって、こわかったです。
・柚木麻子『ナイルパーチの女子会』ー三人称の小説なんですが、二人の女性のどちらかに焦点がぐーっと当たる、ちょっと一人称ぽい雰囲気で、章が変わる度に「これいまどっちの話……」となるのがおもしろかったです。怪談よりこわかったです。
・スティーヴン・キング『トム・ゴードンに恋した少女』ー嵐を抱えた家族の中で、その…[全文を見る]
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はてなブログで感想を書きました。
『屋根裏の仏さま』ジュリー・オオツカ
戦前、結婚するために渡米した日本人女性たちの話です。
http://nakanohitsuji.hatenablog.com/entry/2018/07/28/215950
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『禁忌』フェルディナント・フォン・シーラッハ(著) 酒寄進一(訳)
・途中で「あれこれもしかしてそういうことなの」と思ったら、ほんとにそういうことだった。いいけど、いいのか?
・中に出てくる架空の現代美術作品が嘘くさくなくて見てみたくなる。
・弁護士が今まで読んだ著者の登場人物の中で一番人間くさくて癖があって愉快で、実写で見たい。
・これとか『コリーニ事件』とか読むと、法に携わる職につく者の大原則、みたいなことを考える。
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島本理生『夏の裁断』
http://bunshun.jp/articles/-/253?page=1
今回直木賞とった島本さんだけど
2015年あたりまで芥川賞の候補になってたんだなぁ
けっこう最近だなぁ
図書館で借りてがーっと読みました。
…で、問題は、文庫版に書き下ろしが入ってるらしいのです
http://hon-hikidashi.jp/enjoy/56248/
うーん、読みたいが
この話を手元に置いておきたくない気持ちも強い…
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老若男女問わずで使える提案であるのに、なぜことさらに「和食」「母子を中心にする家庭料理」「日本特有の~」にこだわってしまったのか。
わたしはこの一汁一菜についてのあれこれを読んでて一番思い出したのは、こないだ読んだ三瓶明雄さんの本だった。あそこで語られてる明雄さんの日常食はこれだった。