祖父は排尿補助剤を飲んでいたのだけれど、薬が前日で切れていた。
「排尿があるなら飲み続けなくてよい」と言われて帰宅。
すると祖父が「朝から尿も便も出ていない」と言うのでまた病院へ行くことにした。
すると台所でケアマネと話していた継母が
「要らない。飲む必要ないって藪ちゃんも言ってるし」
と言い出した。馬鹿で知ったかのケアマネも
「下痢で水分が出ているせい」
とか二人して年寄りのエキスパート面してやたらに止める。
もはや祖父の介護というより主権争いの様相を呈している。
こいつらまとめてしばきたい。
ぐっとこらえて朝から祖父がどのくらい水…[全文を見る]
父の友人の有名な藪医者の処方された下剤を飲んで以来祖父は下痢が止まらない。
肛門からぽたぽた垂れるのでオムツを当てている。
継母と二人で藪医者にその後の経過を相談に行ったら
「何を出したかねえ。ああ、これは半分でよかったんやが」
と言いやがった。
倍量の下剤を朝晩二回、一週間分出されていた。
たまたま薬局で頓服として使うのか常用するのかを尋ねたところ
「排泄があればやめていい」
と言われたので一度しか飲んでいなかったけど
全部飲んでたら酷い下痢で苦しんだ挙句大袈裟じゃなく死んでたんじゃないのか。
こいつはピックで刺しておきたい。
また横で継母が「あたしが!あたしが!」と出てくるので祖父の様態が正確に伝わらない。
とにかくもう少し弱い下剤と貧血対策に増血剤を出されてひとまず帰った。
「おじいちゃま、今日は一度家に帰ります」
「はい。また来てください」
「また来ます」
「あなただけが頼りです。お願いします」
「大丈夫、もういいよ。帰りなさい。家のこともあろうし、旦那さんの食事もせなならんやろ」
が口癖の祖父からの傍にいてほしいはすごく重みがある。
でもわたしが傍にいると先妻の子が継母いびりしてるみたいな構造にされがちで困る。
「脚は折れてないから歩ける、何でもない、自力で何でも出来るようにさせないといけない」
と継母は言う。
祖父は背骨を圧迫骨折したところが治らないまま鎖骨とあばらを骨折した。
立ち上がることも大仕事で、片手で体を支えなければ座ることも出来ない。
キャスター付きの椅子で必死に移動しているのを「あれはよくない」と言う継母。
そこにまったく日頃の様子を見ていないケアマネが現れて二人でいろいろ決めようとしている。
バットで殴りたい。
ほかのことはどうでもいいし、たいていのことはそちらのお好きになさってくださいと思うけど
祖父の様態を無視した「あたしが!あたしが!」が始まると
いくら継母ちゃんといえどもふっと殺意を抱かずにいられない。
成人用オムツ一枚280円だって。持参すればよかった。勉強になる。
父の友人医師の中で唯一まともで信頼できると我々姉妹の間で評判高い医師に電話して、救急車を受け入れてもらった。
「もっとたいへんかと思った。救急車呼ぶことかよ」
という顔を救急隊員さんの一人がしてたけど、徐々に弱って自力で病院行けないから仕方ないよねぇ。
墨汁状の便が着いたシーツの汚れがとれない。
そうか、血液だからかと思って石鹸でこしこし洗ったらとれた。
祖父はまだちょこちょこ起きる。祖父の部屋を出入りしていたらグレコがやってきた。
なんでもかんでも
「もう歳だから」
で片づけすぎなんだよ、担当医と父一家は。
父と弟のブラック経営に身を削ってつきあってるもちおがこの時間に眠いのは当たり前だ。
祖父の下の世話もあって今日はくたびれきってるなか洗い物もしてくれた。
それなのに「こんなときにあなたは眠ってる!」と腹立たしく思えてくるのは
わたしも疲れてしまっているからということでよろしいでしょうか。
眠れなくてうとうとすると混乱して目を覚ましてる。
帰宅以来こんなの初めて。薬再開しなきゃよかった。
でもしなきゃしないでまたわかんなかったよね。
血栓防止のさらさら薬飲む→内出血+臓器から出血→貧血→鉄剤
という長れでこの二年悪化してきたんじゃなかろうか。
尿検査はしてるだろうけど検便はしてないんじゃなかろうか。
いずれにしてもわたしが帰ったら祖父を深夜見る人がいない。
祖父の便はイカ墨みたいに真っ黒だった。
検索したら内臓から大量に出血している可能性だって。
血液さらさら薬を飲んでると悪化するだって。
いま救急に電話して、明日でいいかどうか聞いてみた。
もちおがいても歩けない祖父を二人で階段を降ろすこと
椅子に座ってもらって病院へ運ぶことは難しそうだ。
入院するなら安心できる病院に行けるといいな。前の病院は
「看護士が荒いで人殺しーっ!っちゅうごとあったよ」
だそうだから。
[今日の祖父]
浣腸と下剤で二週間分溜めていた仕事の片づけに取り組んでいる。
何度もトイレに行くも成果が上がらずベッドで呻き苦しんでいる。
トイレで唸っている姿よりも浣腸される姿よりも
呻いて泣きべそかいてる姿を見られたくないんだって。
いま廊下に隠れてハイクしてる。
「お産みたいだねえ」
と言ったら一瞬ふつうに戻って
「そうやねえ」
と言っていた。