/短歌

真っ白な格子が区切る空の下モナカアイスは１８ブロック

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残された数のわりきれなさを知るりんご十字に落とす間にも

あたらしきほうへと腕をのばしけるハナミズキ見きやよい月尽き

さかみちの踏み切り端で夏をまつプールは花のさかりなりけり

入り相いの陽は梅の枝くぐりきぬ鉄塔までも砂糖にかえて

洗われて和（にこ）毛刈られしライナスの毛布は東へゆく箱に

線路脇ちいさな草もいろ増しぬ春よはこべ君をはこべ

こうばいをたしかめながらゆく草履ぬるくも濡れぬ雨の梅園

梅林の風は鈴鳴るころころと海を臨み山を望み

幾たびの節折りかえし咲く梅や一枝ごとに空をめざして

ヘタだけを残し鳥の飛び立ちぬ空をカラカラ風は過ぎ往く

こぼれ咲くひなあられの紅拾いをり別れの春まであと何メートル

艶なるかな掟破りの黒帯や万珠菊の花束を締め

ペアカップ買う平穏をかみしめて百円玉を探しけるかな

また一年あるくと誓う神棚のりんごと帽子とコーヒーミルと

上弦の月下弦にする熱をかかえて辷りこみ闇を抱く

つめたさを探るよにして入る夜具やふけるほどに傾（かぶ）く半月　

空白を空白で塗りつぶしてゆく連休や窓の遠くに天国と地獄

ひだまりいととりけいとだま橋がつくれぬままに今

爆発物処理するようなきみの手はリボンやボタンの向こう視ている