寒椿命ひととき眠らせる雪のなかにも紅や冴えたり
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Tips:書きやすい書き方が、読みやすい文章になるというものではない。時には読む側の目になって自分の書き物を見直してみよう。
短歌のことを語る
短歌のことを語る
こなゆきや灰かぶりたる白鳥の子は初めてに惑うてか
短歌のことを語る
絶対といふことの世に無きを説くきみの言葉や哀しき「ゼッタイ」
短歌のことを語る
青空に逆上がりするシャツ見やるあなたの強がり思い出してる
短歌のことを語る
池の鯉おびき寄せてもかなしけれ人はパンで生くるものなり
短歌のことを語る
粉雪のベール纏えばやさしかりつんつく松の葉あなたの言葉
短歌のことを語る
言えぬまま「意地悪」詰めたスピーチバルーン弾けぬように飛ばさぬように
短歌のことを語る
舞い降りる幾千粒の雪の音ささめくほどに黙したる海
短歌のことを語る
短歌のことを語る
松明けて一人居戻るゆきぞらに虹彩分けるちから希ひぬ
短歌のことを語る
松の内終える蜜柑の乳房より軽きをひらいて花とするなり
短歌のことを語る
終止符は無音で転がり続けをりガーターもなくフラットな此処で
短歌のことを語る
娘(こ)を打った掌(て)に柔らかさここだませりいと深き谷この30センチ
短歌のことを語る
皸(あかぎれ)は場所を寸分間違へず訪ひたりてまた聖夜来る
短歌のことを語る
あかぎれを含みつ割りしかぼちゃ煮や冬至の卓を照らし居るかな
短歌のことを語る
大川に浮かぶひよこの唇もしわがれて見ゆ師走の青空
短歌のことを語る
豆の木のごとく伸ばして吾を待ち曇天も抜く猫のアンテナ
短歌のことを語る
蜘蛛の巣を突き破る風吹き吹きて去るはあたらし年のためにや
短歌のことを語る
焚べるべき想いカップに螺旋描く微か響ける聖歌をよそに
短歌のことを語る
二十年過ぎて夫の病みを聞くへたり布団の重き朝かな
/短歌