峠過ぎなぜいまさらとしもやけの指を菜花の湯気であたたむ
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短歌のことを語る
短歌のことを語る
音もなし綿毛はワルツで天昇る何捨つればかくもかろきや
短歌のことを語る
仰ぎ見る斎場に立つ煙突を出でゆくあなたの四十年に
短歌のことを語る
運ばれた春の息吹を胸にあつめバルーンにして届けられたら
短歌のことを語る
痩せ猫のとんがり山背に降る雪もなかばで消え失す春近し
短歌のことを語る
濡れてなお打たれるために頬かざす迷いは紅の色と流れよ
短歌のことを語る
ビル街の闇より黒く沈みたる猫のまなこに問われたり愛
短歌のことを語る
老猫やたれにも訪なふ春なれば古バケツにも花はあふるる
(老猫:ふるねこと読みます)
短歌のことを語る
結論はあかさたなでは言えなくてさんまの骨と袋に詰める
短歌のことを語る
鯛の背に紅さし来たればきみを想う空の上でもよく釣れますか
短歌のことを語る
飽き飽きて遠き山見る鳥を見るあなたの指におびき出される
短歌のことを語る
寒月は何処に往かむかるがるとひと夜で梢を走り抜けたり
短歌のことを語る
手を伸ばす梢に寒の戻りたる戻らぬ人の春をぞおもふ
短歌のことを語る
「あ」と書いて「い」と書いたあと続けてよ石を並べてもハートにはなる
短歌のことを語る
過ちは天気予報のせいにしてマシュマロから落つ針に刺さるる
短歌のことを語る
水ぬるむ蛇口の向こうに野菜カゴたまねぎたちがキスをしている
短歌のことを語る
六畳のあかりはなにを照らしたる人のうちにぞ光ありけり
短歌のことを語る
月だけが壁を越えゆく地にありて闇にも届けよ春の樹のこえ
短歌のことを語る
「好き」といふかわりに「猫」といふをんな黒のとくりの背のあたたかき
短歌のことを語る
渡せどもまだ明けやらぬ河をゆく故はなくとも人は在りけり
/短歌