『ゲティ家の身代金』("All the Money in the World" 2017 年、リドリー・スコット)
・人々の言動がぴしっぴしっと影響し合って結末に至るので、実話が元という感じがしない。
・マーク・ウォールバーグ演じるフレッチャー・チェイスがミシェル・ウィリアムズ演じるアビゲイル・ハリスに「またその言葉だ。『ジョーク』。ジョークと言うならそれなりの対応をすることになる」と感情を露わにすると、ゲイルもそれに応えて(多分口癖の)「冗談でしょ」を言わなくなる。そういうところがフィクショナルで、全編そういう手法で貫かれているのがおもしろかった。
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映画今日観た映画(DVD)に3行コメント!のことを語る
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『ピーターラビット』( "Peter Rabbit" 2018 年、ウィル・グラック)
・きらきらした目でにやりとわらうピーターが初登場でいきなりバイオレンスで、基本的にずっとバイオレンス、アクション、時々もふっ。
・ドーナル・グリーソン登場シーンでぶほわっと笑ってしまったのはなぜなのだろう。
・たったの 95 分に、ピーターたちのこれまでと今とこれから、そこにからんでいく二人のニンゲンのこれまでと今とこれからがぴちっと収まっていて、無理なく楽しかった!
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ナンシー・ケリガン襲撃事件から材を取った『アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル』( "I, Tonya" クレイグ・ギレスピー)を見ました。
・フィギュアスケート、ルール変わって(というか評価項目が細分化されて、講習や会議がオープンになって)ほんとよかったし、ルール変更に尽力した方々はなんて勇敢で献身的なのだと思う。
・殴られたり殴ったり銃で脅されたり脅したりのトーニャとジェフですら、会って恋に落ちたときはほんとかわいい。
・真相を追究する! とか、だれそれの責任を追及する! とかじゃなくて、また、DV 経験者がトラウマを刺激されるほど露悪的でもなく(速度があるから。人によると思うけど)、多声的で、そういうとこ映画だなって感じだし、なかなかキュートだし、私は好き。
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『ジャズ大名』(1986 年、岡本喜八)
・ジャズってる間に明治になってた。
・殿の悪癖、篳篥(詳しい人の弁によると、篳篥は「うまくても下手でもこの程度」だそうです)がこんな形で役に立つなんてドリーミング。
・故郷に帰るつもりがうっかり日本に漂着してしまった三人組、そろばんで移動する有能な妹、その妹に適切な指示を飛ばす姉、質素でクールだが篳篥だけは困ったものの殿様、ちょっぴりおかたいタケモトピアノ、出番のない大砲、通り道にされる城、打楽器に生まれ変わるそろばんと、素敵なものでみっしり。おすすめです!
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『ドリーム』("Hidden Figures" 2016 セオドア・メルフィ)
・ああ、おもしろかったあ。
・靴のかかとがひっかかっちゃうような実験室のつくりとか、あっちの棟からこっちの棟に連絡するのに走るしかないとか、コンピューターを入れようとしたらドアが小さくて入らないとか、そういう、急激な変化についていっていない部分がおもしろかった。比喩でなく実際ハンマーでごん! ごんごん! とか。
・自分が差別的だとは夢にも思っていなかったスタッフォードさんやミッチェルさんにとっても、日々自分との闘いで、そういう人々のことも静かに映していて良かったです。
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『女神の見えざる手』("Miss Sloane" 2016 年 ジョン・マッデン)
・ジョン・リスゴーーーーーー(ひゅんっ)! マーク・ストローーーーング(ひゅひゅんっ)! ジェシカーーーーーー・チャステイン(びゅひゅほわああ)!!!
・「一方、このときスローンさんは実は……」と常に常に想像させられるので、現に観ている映画と脳内映画が正面衝突して大変です。
・オイディプス王ばりのクラシカルな物語に、ミス・スローンのどきどきが止まらないフレッシュな存在感、星明子のようなマーク・ストロング、「これからの人」まるだしの若者たち、もう、異常におもしろかった。
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『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』("Avengers: Infinity War" 2018 年、ルッソ兄弟)
・目がいい。映画ならでは。
・それ以外は何も言えない。
・だって、あの、あら? 誰か来た
映画のことを語る
こないだ『ペンタゴン・ペーパーズ』を見て、今日『タクシー運転手』を見て、この流れで今日BSプレミアムで『大統領の陰謀』を見たらこれはいい流れだなあと思っていたのですが、録画し忘れてちぇーという気分です。
ですが、『大統領の陰謀』は今期の「午前十時の映画祭」に入っているのでまたゆっくり見ればいいかな。「午前十時〜」で今回他に楽しみなのは、『狼たちの午後』と『マイライフ・アズ・ア・ドッグ』! どっちも DVD でしか見たことないから映画館に行きたい。
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1980 年「光州事件」を取材したドイツ人ジャーナリストに同行したタクシー運転手の材を取った『タクシー運転手 約束は海を越えて』を見ました。
・デモに眉をひそめる「ふつうの人」が戦闘に巻き込まれていく、学生がちょっとした夢を話す「ふつうの日常風景」が戦闘風景に変わる、その変わり目が見事でした。
・この映画の作り手は、観客を「辛い目に遭ってきた人々」そして「罪の周辺にいる人々」と想定していると思う。
・妖精のようなガンホさんが朗らかに私たちを 1980 年の光州につれていき、そしてちゃんと日常に帰してくれます。おすすめです。
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『ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書』(The Post、監督:スティーブン・スピルバーグ)
・116 分、みっしり、ぴっちり、ぴしーかくーと楽しかった。
・主人公、ケイの、言いよどみ方やすぐ物にぶつかるところ、いつも疲れているのに優しいところ、人との付き合い方がまともなところ、全部好きだけど、やっぱり終盤、スピーチに苦しんできた彼女が最後の最後に「もういいわ」と言ってするすると人混みの中を歩いていき、その彼女を取り囲む人々が話しかけたいような泣きたいような仕草を見せながらただただ静かに見送るシーンはもう、なんとも言えない。
・若造&小娘&お嬢ちゃんたちもとても良かった。ほこらしい顔をしていました。妻もよかったよ〜みんなよかった!
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『トレイン・ミッション』(The Commuter、ジャウム・コレット=セラ&リーアム・ニーソン)
・冒頭 10 分くらいの楽しさが異常なのですが、わりとその後もずっと楽しい。
・エンドクレジットがキレイ・カワイイ・まあまあ短い。2018 年エンドクレジット大賞ノミネート。
・これだけ人々が脅し、脅されている中で暮らしていると、映画で人質が取られて主人公がどっちにしろ負けっていう状況を見るのはもうほとほとうんざりなのですが、この映画はその辺りの気持ちをわかってくれているなあというか、共有しているなあと思えるような演出が続いて、とても良かったし、心強かったです。
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鬼才宮崎駿の 14 分 20 秒の新作『毛虫のボロ』を見ました。
・毛虫が生まれて、きょろきょろして、空気を浴びて日を浴びて食べて消化してうろちょろして命の危機を感じて思いがけず一瞬の冒険に出たように見えたけれども別に帰るところやいるべきところががあるでなし、どこもかしこも毛虫の居場所なのでした。
・きっちり気持ち悪い。
・うにゃうにゃ〜として、ぶわぶわ〜として、きらっきらしてました。
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『馬を放つ』原題:Centaur、監督・主演:アクタン・アリム・クバト
・村の中に泥棒として位置づけられている(別にしょっぴかれもせず、特に恐れられもせず、ただ泥棒として認知されている)人がいて、この人が馬泥棒の濡れ衣を着せられて村の実力者みたいな人(暴力のプロ)に殴られて悔しくて真犯人をひっとらえる作戦を立てて、にもかかわらず……的なひどい目に遭い、そんな中でたいへんまっとうな発言を繰り返すのです。
・主人公は二世代前くらいまでは馬を生業としていた一族に生まれたのだが、激変する時代にあって馬とともにある生活を祖父や父が失っていくのを見な…[全文を見る]
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「長江 愛の詩」(原題:長江図)
・ちょっと! 原題のままにしてよ〜。映画館の椅子に座ってコーヒー飲んでタイトルが出るそのときまでタイトルをおぼえられなかったじゃないの〜。
・さかのぼるのです。長江を。もうすごいんだ。見たことない、想像すらしたこともない風景ばっかり。ほわ〜〜〜。
・長江を東から西に遡るってことと、長江の風景が今、刻一刻変わっていっているってことと、長江の抱える歴史と、主人公の読む詩と、逆走するラブストーリーと、怪しい積み荷と、それはそれとして跡取りがぼんくらで従業員が切れまくるってことと……
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「しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス」(Maudie)
・くすんだ色合いの、横長の風景にモードが色を置いていくと、最初からそうだったような気がしてくる。
・イーサン・ホーク、真剣に何でもできる。胸を打つナイスチョッキまで。
・ちょっと残念なのが、ラスト1分が余計なのと、エンドクレジットで二曲かかるのは長いんじゃないかっていうことくらいで、ほんとぱっと始まってあっという間にモードのすぐ横にいる気分になって、今すっかりモード夫妻の親戚のような気持ちです。おすすめです!
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「空海 KU-KAI 美しき王妃の謎」(妖猫伝 Legend of the Demon Cat)
・マジカルでめでたかった。
・空海の歩き姿がけっこう良かったのと、白楽天がのほほんとしてたのが印象的でした。
・真ん中辺でかくーと寝てしまい、どうもそこが肝心な「長恨歌ターン」であったようなのです。それで記憶にある長恨歌で補いながら見たのですが、するとどうも齟齬が……でも多分寝ていなければ納得行ったと思うので「やってしまった……」という気持ちです。
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『花咲くころ』("Grzeli nateli dgeebi")
・ソ連から独立後、紛争が続くジョージア(グルジア)で生きる 14 歳のエカとナティアの現実を追ったもので、ところどころ物語の萌芽は見られるものの、基本的にずっと現実の、生きているだけで辛い日々が映される。
・差別や暴力や嘘から生まれた関係は最初から最後までずっと悲劇。
・うううううう〜〜つらいよ〜〜脱出できないよ〜〜〜
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『シェイプ・オブ・ウォーター』(THE SHAPE OF WATER)
・具体的で生き生きしていて匂い立つようでした。
・ほとんどの台詞が抽象的なストリックランドさんですら、生き生きしていて、そしてとても哀れだった。「ノクターナル・アニマルズ」、名画座でかかるので見に行かなければ!
・スピード感があって展開が早いんだけど、そんな中でもちゃんと眠り、お風呂に入り、ごはんを食べ、バスに乗って外を眺め、外の音を聞き、というところが繰り返されるのがとってもよかったです。
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『ブラックパンサー』(Black Panther)
・134 分あるの? 88 分くらいに感じた。
・悪役がああしてそうしてこうなったっていうくだりが見応えあって、そのときに主人公に生じる葛藤も見応えあって、それが拮抗しているもんで、いちいち考えながら見ちゃうんだけど、全然疲れなかった。
・なかなか素敵なヒーロー誕生譚でした。
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『15時17分、パリ行き』(The 15:17 to Paris)
・この話を新聞でじっくり読んで受ける感じと、この映画から受ける感じは、私の場合あんまり開きがないと思う。それが良かった。
・が、それでいて『ゼロ時間へ』的な時間配置あり、主人公の「自分の必然性に耳を傾けて、その宿命に献身的でありたい」っていう痛ましいまでの願いありの、きちっとした物語でもありました。
・ドキュメンタリーを偽装してもいない、かといってドラマ仕立てでもない、なんだかよくわかんないけど、見たことない感じで素敵な映画でした。
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