「良い天気ですね」
「良い天気です」
「あっ、あの雲。へんな形をしているね」
「ほんと、へんなかたち」
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好きなやりとりのことを語る
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「西洋へ行くと人間を二た通り拵えて持っていないと不都合ですからね」 「二た通とは」 「不作法な裏と、奇麗な表と。厄介でさあ」 「日本でもそうじゃないか。文明の圧迫が烈しいから上部を奇麗にしないと社会に住めなくなる」 「その代り生存競争も烈しくなるから、内部はますます不作法になりまさあ」 「ちょうどなんだな。裏と表と反対の方角に発達する訳になるな。これからの人間は生きながら八つ裂の刑を受けるようなものだ。苦しいだろう」
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平野 大体現代文学の常識からいうと、志賀直哉の文学というものが現代日本文学のいっとうまっとうな、正当的な文学とされている。そういう常識からいえばここに集まった三人の作家はそういうオーソドックスなりリアリズムからはなにかディフォルメした作家たちばかりだと見られているが・・・・。
太宰 冗談言っちゃいけないよ。
平野 いや、冗談じゃない、ほんとの話だよ。太宰さんはすでに少々酔っぱらっているから・・・・。
坂口 平野が言う意味は向こうが正統的の文学だとすれば、俺たちがディフォルメだというのだよ。
平野 それはそうだろうと思う。いくらあなたがそうじゃないと頑張ったっても・・・・。
太宰 オレにはちっとも分かっていやしない。ディフォルメなんて・・・・。
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