甥介1歳
大人が積み木を箱にしまい終えたところを見計らって、がっしゃーんとひっくり返すのが好き。
そこでひっくり返された積み木を一心不乱に箱に投げ込み、数回やられるままにひっくり返されてみた。
淡々と積み木を箱に投げ入れる。甥介もいっしょになって投げ込み始めたので一緒に投げ込む。
そして甥が最後のひとつを箱にいれた瞬間、先手をとってがっしゃーんとひっくり返してみた。
「あれ?」
という顔をしていたが、間髪入れずに投げ込み作業再開、甥介に最後の一個を投げ入れさせ、また引っくり返した。
甥介は目を丸くして「#ッォニャ?%」と意味不明の抗議をしてきた。
二、三度やったら完成した仕事を台無しにされる感覚に飽きた甥介は、自分で引っくり返すのをやめた。
電話越しの継母ちゃん
「うん、わかった・・・ちょっと!やめなさい!ダメ!・・・もー、どうしてあんたはそう飛びたがるのよ」
甥介1歳が自分の肩ぐらいの高さのソファによじのぼり、飛び降りようとしていたらしい。
日々自分の膝より高い階段を激しく上り下りし、隙あらば爪先立ちを続けるなど鍛えており、超マッチョ。
いまから塀と屋根に細工しておいた方がよくないか。
甥介1歳
伯母が来る数時間前になると「はてこ!はてこ!」と連呼するらしい。
昨日の早朝訪ねて行ったら「一昨日の午後連呼してたから、一昨日の晩来るかと思った」と言われた。
何かを受信中。
甥介1歳
ipadでyoutubeに夢中。クールに広告スキップを連打していた。
甥介1歳
稼働中の洗濯機に頭からダイブ事件から一週間が過ぎた。
ふと目に入った稼働中の洗濯機の前で、母親に
「ダッキー!!ダッキー!!」
とやや語気を強めて真剣な顔で惨劇を忘れるなアピールしたのち
「みっ!みっ!」
と洗濯機を叩いて叱っていた。人が恨みを学習する瞬間を見た。
甥介1歳
洗濯機(通称タッキー)に夢中。
椅子に登って蓋ごしに覗き込むだけでは飽き足らず、しきりに蓋を開けようとし、遂に回っているところに頭から落ちた。
祖母に救出されたのち、寝るまで「タッキー!タッキー!」と事故のショックを訴えていた。
甥介1歳
6時起きで97歳曽祖父の部屋に突撃して碁石のばらまきにいそしんでいたが、最近は5時起き。
サマータイム制度が導入された模様。なお祖父は日本時間のまま起床を強いられている。
甥介1歳
甥が転んで泣くと甥祖母が
「痛かったね、よしよし、ばあちゃんがめっ!してやろうね、めっ!めっ!」
と床や地面を叩いて叱る。机の角にぶつかれば机を叩き、椅子にぶつかれば椅子を叱る。
先日ドアに突っ込んでいってドアの隙間に足の小指を挟んだ甥介は、泣きながら
「みっ!みっ!」
とドアを叩いて叱っていた。責任転嫁の技を習得中。
甥介1歳。
はてこ(仮名)は自分の遊び相手だと認識しはじめた模様。
実家に花子(仮名)という名前の知人からいただきものがあった。
「これなに?」
「花子から届いたのよ」
と甥母が甥祖母とやりとりしているのを聞いた甥は
「はてこ!はてこ!」
と連呼しながら熱心に紙袋に顔を突っ込んでいたとのこと。甥祖母が
「そこにはてこはいない」
ととりなした。
もちおが一人で訪ねていっても「はてこ!はてこ!」と要求するらしい。
甥介1歳
「でこちんが固くて頭突きされるとものすごく痛い。ナポレオンフィッシュのようだ」
と話す御母堂に対し、怒りの奇声と共に机バンをかましていた。
甥介1歳
海老剃り、絶叫して全力で抵抗していた歯磨きに応じている。
「youtubeで歯磨きの歌の動画を見ながらだったらやるようになったのよ」
これが、プロパガンダか・・・!
甥介1歳
なんでも自分でやりたいお年頃。
子ども用小皿を両手で持って中のぶつ切りうどんと汁を豪快に煽って飲み、御母堂に
「黒田節」
と言われていた。
甥介1歳
レストランで隣のボックスに座ったおばあさまの一団を
「なんてすてきなおばあさまたち・・・とっても光栄でお近づきになりたいけれど、恥ずかし!どうしよう!」
という魅惑のはにかみ笑顔で30秒で虜にし、すっかり手玉に取っていた。
世の中可愛くて愛想のいい者が勝利するのだと再確認した瞬間だった。
甥介の人心掌握のための笑顔はほんとに面白がっているときの笑顔が微妙に違う。
夢中になっているときは真顔でニコリともしない。
甥介1歳
顔を洗っている姿に驚愕。ばあちゃんの背後に隠れて出てこない。
なにその「素顔だと別人!」みたいなリアクション。
甥介1歳豆大好き
マ行は訓練中らしく「ん・まー、ん・めー!」と一音ずつ区切って発音する。
甥介1歳 おしりかじり虫とperfume動画に夢中。
甥介1歳
しきりに泣くので祖母が「抱っこだったの?」と聞いたら「だっくんだった」と答えた。
以来抱っこしてほしくなると「だーっくんだた」「だーっくんだた」と過去形で要求する。
甥介1歳
初花見に行き、「うめ。うめ」と一生懸命覚えたての言葉を使っていたが
そのたび母と祖母から「違う、さくら」と全否定されているさまが気の毒だった。
甥介一歳にズボンを穿かせる。
「甥介のあんよどこ?甥介のあんよどこいったの?」
「・・・なーい」
「あ、甥介のあんよだ!」
「・・・あった」
これが初めて彼と会話が成立した瞬間であった。