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今日のダンナのことを語る

「でも『よくこんな雛壇まわしてるな』は褒め言葉だって」
「雛段?」
「バラエティ番組で司会者の後ろの階段に並んでるタレントのこと、雛段芸人って言うんだよ」
「ふーん・・・ぴよぴよ・・・」
「え?」
「お雛様の方かと思った」
「お雛様の方だよ?」

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今日のダンナのことを語る
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今日のダンナのことを語る

『私は悪霊と断固戦うことを決意しました。何としても家族を守らねばなりません。着の身着のままで車に乗り、家から脱出したのです。100万ドルで買った家は元の持ち主である銀行に売りました。1万ドルにしかなりませんでした。』

「逃げてる」
「銀行儲けたな。悪霊商法でボロ儲けだ」
「もちおだったらどうする?」
「燃やす。家ごと燃やす」
「どうせ住めないから?」
「そう」

何だかんだ先方を懐柔して順応するような気もする。

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今日のダンナのことを語る

ディスカバリーチャンネルで悪霊に取り憑かれた家の話がやっていた。

勝手にスイッチが入る電子レンジ。いつの間にか開いている窓。キッチンの窓ガラスに映った人影に怯える妻、クローゼットから現れた不気味な影に悲鳴をあげる娘たち。

最後まで半信半疑だった夫は深夜の寝室で何者かに足首を掴まれ、枕元の銃を手に大声で警告しベッドマットをひっくり返すが何もいない。

「この旦那さん小心者だね。足首掴まれただけでこんなに狼狽して」
「そうだな」
「もちおだったらこんなに騒がないよね」
「俺はあれ?って思ってまた寝るな」

もちおは怪奇現象もさることながら、新婚時代に借りた部屋では数ヵ月で3度非常ベルが鳴ったが、一度も目を覚まさず避難もしなかった。

しかし妻が寝室から出ていくと確実に起きてガミガミいう。

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今日のダンナのことを語る

事務員の女性が入社した。

「新しい事務員さん、どう?」
「きちんと仕事してくれるよ。みんな浮き足立っちゃって、用もないのに早く来たり事務所に長居したりしてさw まったく分かりやすいよ」
「ふぅん」
「社長の紹介だったんだけど、『愛人じゃないんで』とかわざわざ言ってたw 気を付けないと」
「そうなんだ…もちおはその人をかわいいと思ってるのね」
「え!や!…は、鼻がちょっと形が悪いからなー」
「他はいいんでしょ?」
「あーまー、一般的にはそう言われる顔だね!なんでわかったの?」
「顔立ちにうるさいもちおが一言もそこに触れないで周りの話ばかりしてればわかる」
「えーうーん、でも俺ははてこさんかわいいなって」

こりゃ相当ですよ。

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最近仕事の接待で中洲へ行くことか増えた。

「中洲ってどんなところ?」
「女は酒を飲んだ男に泣かされ、男は金をとられて女に泣かされる。この世の地獄だな」

蟹工船か。

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妻が足つぼマットを使い始めた。

「もちおも踏んで!」
「あ?いいよ。ホイホイホイホイ」
「なんで平気なの?!」
「一ヶ所に重さがかからないように分散して踏んでるからだ。 ホイホイ」
「ずるいよ!」
「極めれば針の山も越えられる」

目的が違う。

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「はてこさん、ちょっとキレイになったね?」
「それはまつ毛パーマが落ち着いて来たっていうことですか」
「それ最初さ、セクシーダイナマイトなペコちゃんが黒の編みタイツ履いて『ププッピドゥ!』とかいってるやつあるじゃん?」
「ベティちゃんのことですか」
「そうそう!あれみたいだった!『困ったな、うちのカミさんがセクシーダイナマイトなペコちゃんになって編みタイツ履いたりしたらどうしようか』って思ったよ~」

ベティ・ブープ嫌いらしい。

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妻、姑、義妹、甥介とショッピング。

「ばっば!ジュー飲む!ジュー飲む!」
「あらこの子疲れちゃったんだわ。わかった。いいよ、ジュース飲もうね」
「ジュー!ジュー飲む!」
「甥介は何ジューがいい?林檎のジュー?グレープジュー?」

「さっきはてこさんが甥介になにジューがいいかって言ったとき、俺は『鰻ジュー!』って思ったが、これを言ってはいかんと思ってこらえたんだ」

お昼時のことでした。

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「かわいくないとか女としていちばん敬遠されるタイプだとかわざわざ言ってくる人たちなんなの」
「はてこはかわいい」
「女のうちに数えられようなんて図々しいって言われた」
「図々しくなんかない。むしろ謙虚で控えめな見解だよ」
「じゃあ実態は?」
「はてこはかわいいうえに美人でスタイルがよくてモデルさんみたいだし、心はキレイで天使みたいだ。それをかわいいだけに抑えているんだから控え目な意見だよ」
「よくそんなこと言うね」
「もちおは正直だからな」

妻転がし師範の実力ここにきわまれり。

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「闇にかーくれってほ ざ く」

またダークサイドに陥っている。

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「はてこは太れば美人なんだけどなあ。太らないなあ。どうしてかなあ」

よく考えたら結婚以来ずっと容姿を貶されている。

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春の山を背に橋の上、風に向かって立つ妻を穏やかな目で見つめながらひとこと。
「やっぱり変な顔だねえ」

あれから一ヶ月、いまだまつげパーマ不評。

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「バーバババーは今日もお出掛け。
朝も散歩に行ったのに。
『なに言ってんだい!今日は一度だって外に出ちゃいないよ!』」

疲れきった妻の「ばーばばばばー…」という独り言を引き取って。

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「今夜、もちおにお願いがあります」
「なに?」
「運動不足解消のために散歩がてら駅まで自転車を取りに行くからついて来てほしい」
「いいとも」
「運動するご褒美がほしいけど自分で買うのご褒美って感じがしないから何か買ってほしい」
「いいとも」
「いいの?!」
「あーいいとも!」

もちおばんざい! テンホーばんざい

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今日のダンナのことを語る

「ごめん、今日麻雀してたんだ」
「そうだったの。勝った?」
「うん・・・それが・・・俺・・・テンホウ出したんだよ・・・!」
「へー!それで最終的には勝てたの?」
「勝ったよ!」
「じゃあよかったね!」
「テンホウだよ?!俺、変な声でちゃったよ」
「あはは!びっくりしたね」
「はてこさん、テンホウ検索してみて」
「知ってるよ。知らないと思ってんの?脱衣麻雀で出るんだよ」
「え?」
「あと一枚・・・!って時に、『テンホー!』って出しまくってくるんだよ。対戦相手が」
「あー、そうなんだ」
「それで、どんな感じだったの?」
「あ、うん、なんか、今の話のがインパクトがあったから、もういいや」

年上女房との世代格差。

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天和出した。

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天和出した。

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「また地震が来るよ・・・二度目の地震が」
「え」
「また地震が来るよ・・・二度目の地震が」
「どこで?」
「・・・・・・」

嫌な寝言ふたたび。

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「わたし明日、文楽を観に行くの!」
「ぶーんらくぅーとぉーなぁーーあ!」
「電車の時間を調べなきゃ」
「ジョぉぉるだぁんーをぉー…あれ、文楽ってこういうのじゃないっけ」
「文楽は人形がしゃべるんだよ」
「人形がしゃべるのか」
「あ、違った」
「すごい時代に生まれたな」
「違うよ」