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自分がSF小説を執筆するとしたらのことを語る

人生の岐路にさしかかると、選択肢の数だけ自分が増える
世界は増えない
生きれば生きるほど自分が増えて、「あっちの方が良かった」「ああすれば良かった」と言われる
ずっと前に増えた自分は、ずっと前のことを「あっちの方が良かった」「ああすれば良かった」と言っている
ああ、うるさい
耐えられない

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自分がSF小説を執筆するとしたらのことを語る

心優しい民の住む平和な国がありました
しかし、その国の王は無類の戦好きで、一人、馬を駆っては戦場に赴き、剣を振るっていました
ある時、王はついに他国の全てを攻め滅ぼし、地上には王と、その民だけとなりました
すると、王はやにわに剣で腹を裂き、自ら命を絶ちました

かつて、地上に満ちた人々は、常に諍い、相争い、戦うことを止めませんでした
戦いを止める方法を長いこと探しましたが、最後の最後に「我々は戦うようにできている」のだと知りました
そして彼らは、遥か昔、自分たちが滅ぼした種に地上を返し、自らは消え去ることに決めたのです
王は、その最後の一人でした

王の墓の前で、心優しい民は、これまでもそうしてきたように花を手向け、一筋の涙を流しました