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アイヌ(ニヴフ・ウイルタも)の食文化について"だけ"なら、この本よりも「被差別のグルメ」(上原善広@新潮新書)の方が詳しいかも知れない。
俺は「ゴルカム」読む前に「被差別のグルメ」を偶然読んでたんで、「"プクサ"だって?"キトピロ"じゃないの?…別名かなあ、"オハウ"はおんなじだし…」とか一瞬思ったりしたもんです。
「串かつの田中」とか「ケンタッキーフライドチキン」が好きな人にも「被差別のグルメ」は面白いかも知れません。同じ著者が先に出してる「被差別の食卓」も読みたいなあ、そっちはアイヌ関係ないみたいなんですが。
「アイヌ文化で読み解く『ゴールデンカムイ』」中川浩@集英社新書
「ゴールデンカムイ」のアイヌ語監修やってるアイヌ語学者さんが書いた、「ゴルカム(略」をマクラにアイヌ文化を紐解いた本(野田先生の書き下ろし漫画もあるよ!)、ということでいいのかな。
よく知らない文化についての話はたいがい面白いのでこれも面白かったです。でもあくまで「中川説」だってことは忘れない方がいい部分もあるのかな。
特に「ほほう」だったのは、アシリパさんが喋ってる「アイヌ語:小樽方言」は中川先生の創作による部分が大きいということ。小樽のアイヌの人たちはごく早い時期に…[全文を見る]
『おばちゃん介護道』山口恵以子
・今年初め頃に新聞で、ご本人の書籍紹介を読んで興味を持った。もうお母さんは亡くなられたそうで、この本のそのあとがまた大変だったらしい。
・家庭内での介護にあたって、それまでいかにその相手から肯定されてきたか、っていうのはやっぱり影響絶大なんじゃないか。
・介護の話だけでなくて、プロットライターだった時の話もかなりあり、二時間ドラマのプロットとか脚本とかどのように制作されんのか、という話もあっておもしろかった。おばさん刑事のプロットとかなすってたそうだ。
・角川春樹に「開高健より食べる女」と言われたそ…[全文を見る]
サンキュータツオ『ヘンな論文』。

勉強、楽しい。研究はもっと楽しい。だれに頼まれなくても勉強しようって気になる楽しい本。あとがきも充実。
東山彰良『夜汐』。

土方歳三が哀れじゃなかった。この点だけでも書かれる意味はあったと思う。素敵な小説でした。
アンソニー・ドーア『すべての見えない光』読んだ……素晴らしかった……素晴らしかった……。

「そして生活はつづく」星野 源
旅行が終わるまでに返してほしいと初日夕方に渡され、移動中に黙々と読んで2日目の夕方に読み切りました。
久しぶりに文庫を読みました。星野源おもしろい。
あー、門井さんの結構読んでるけど、これは読んだかどうか思い出せないや。
吉野朔実「ALL IN ONE 吉野朔実は本が好き」。
これに収録されている、本の雑誌で連載していたシリーズの文庫&単行本は全部持っていた、というのもあって、ゆっくり読んでいたのだ。ものすごく分厚いから持ち歩きもできなかったし。ほぼ漫画だけど。索引抜きで640ページもあります。
好きだったシリーズに、3万円の図書カードで買い放題、とかコラムとか執筆者近況、とかを入れたものなので、手元に置いておきたかった。一冊で読むと、時の流れや街の変化もわかりやすい仕様になっています。

すこしでも sudofox さんにちゃんとした言葉遣いで話しかけたくて読みました。「そうねそうね、世界は複数の、たくさんの言語でできているね」「うむ。勉強は楽しいな」と思いました。勢いがつきました。

お正月の帰省時に古書店で購入したもの。不思議な本だった。1頁あたりの冗談が多すぎて慣れるのに時間がかかりました。単価が安く、構造がくどい冗談が矢継ぎ早にくりだされる。そんな、心中が極端におしゃべりな筆者が学会で海外に行ったときの「……いえない!!」という苦しみ描写と、回転運動に関するエッセイ、りんごジュースに難癖をつける色彩に関するエッセイなどが印象に残りました。

なんとー! 4 月 6 日からヽ(・∀・)ノ━(∀・ノ)━(・ノ )━ヽ( )ノ━( ヽ・)━(ヽ・∀)━ヽ(・∀・)ノ〜!
[今日wiki]で、そうかアンソニー・ホロヴィッツという作家は「刑事フォイル」の脚本に携わっていると知り、そういえばシリーズの途中で日本語版の放送が中断されて今後の放送の見込みはないのだなあそれはさびしい…と思いながらwikiをよんでおりましたら、そこに4月から最終話まで分割せずに放送とあるではありませんか。
ミスリードさせるミステリなエントリ (´∀` *)
http://www9.nhk.or.jp/kaigai/foyle/
複数の言葉が行き交う場所で、それぞれの言語体系同士がやわらかく絡み合う、衝突する、確かめあう。そういうことを繰り返して、日々新たに織り上げられていく言葉の往還が描かれる。判断や評価から自由になれて、とても楽しい読書体験でした。

コーヒーが香る、楽しいミステリでした。「きっちりとすべての i に点が打たれ、すべての t に横棒の入っている」ラストにたどりついたとき、語り手がいる場所をおそろしいとも思うし、わかるよとも思う。
それにしても、朝は「ブラックコーヒーと茹で卵をひとつ」食べる習慣の探偵を、ドラマ「刑事フォイル」のフォイルさんでイメージしてしまったため、今、「刑事フォイル」(nhk で途中まで放送された)の続きが見たくてしょうがないです。

『オペラ座の怪人』ガストン・ルルー
はてなブログに感想を書きました。
http://nakanohitsuji.hatenablog.com/entry/2019/02/23/200000
ミュージカルの『ラブ・ネバー・ダイ』に誘われたので、その予習?として。
ミステリーあり、ラブロマンスあり、冒険ありの、欲張りな作品でした。
『ルネサンスの世渡り術』壺屋めり(芸術新聞社)
表紙や中のイラストとマンガも著者によるものらしい。
芸術家という「職」が成立し認知される過渡期としてのルネサンスで、今は芸術家として名を残してる人々がどうやって売り込んだりコンペを勝ち抜いたりしてたか(またはそのコンペを無きものにしたか)。またパトロンはどういう意図で、どんなやりとりで仕事を発注していたか。その丁々発止。
NHKのイタリア語講座で時折話題に出てくるヴァザーリの『芸術家列伝』の影響力について、など、一次資料の危うさみたいな話も触れられてて、でも気軽な読み物としておもしろかった。
最初の、フィレンツェの洗礼所の扉作成にあたってのコンペのエピソードが、美術史研究ってこういうことかと知れておもしろいです。
イタリア旅行する人はぜひどうぞ。
『ラウィーニア』アーシュラ・K・ル=グウィン(著) 谷垣暁美(訳) 河出書房新書
ウェルギリウスの『アエーネイス』に数行のみ出てくる、アエーネアスの妻ラウィーニアを主人公にした物語。
死を目前にした生き霊として時空を超えて現れたウェルギリウスに出逢い、自分は彼の詩のキャラクターだと知ったヒロインが、彼に描かれた詩(定められ知らされた運命)をどう生き、そしてその詩に描かれた時間以降の生をどう生きたか、という物語。
ル=グウィンは70代を過ぎてからラテン語を学び直し、『アエーネイス』を読み、ある意味物語のキーパーソンなのに一言も発することのなかったラウィーニアに語らせようと思ったのだそうだ。
はてなブログに感想を書きました。
『不如帰』徳冨蘆花
http://nakanohitsuji.hatenablog.com/entry/2019/02/02/200000
蘆花の暮らした家や庭の残る公園、蘆花恒春園に行ったから読んでみました。
大河ドラマに出てきたときはびっくりしました。
ハイカーさんのご紹介。
リトルガールズ 清々しくなることなんぞ書かれていないのに、読んだあとなにやら説明のつかない夢を見たあとのような清々しい気持ちにさせてくれた巧みさよ…
探しているものは…
んんー?と思う箇所も多いのですが、さすがプロ~、珠玉のフレーズが隠れているので宝探し的な楽しみがありました。
ところで女優さんの紹介とかでは読む気になれないですが、嗜好や人となりを知るハイカーさんの紹介だからこそ安心して手に取れる。
ハイクがなくなったら、ほんと困る。
