実のところ、おれは言いすぎたのだ。彼は蒼白になり、打ちのめされ、いまにも気を失いそうだった。おれは思った、『言ったって何になる? この男はいつも無邪気なのだ。無邪気な者に批難することはできない、彼等はつねに罪がないのだ。押えつけるか、消してしまうか、それより手がない。無邪気は狂気の一種なのだ』
彼が言った、「テエがこんなことをするはずはない。ぼkは確かにそう思う。誰かがテエを欺したんだ。コミュニストが……」
彼は自分の善意と無知とで、絶対堅固に武装していた。
(p.187、『おとなしいアメリカ人 グレアム・グリーン全集14』)
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時はしばしば復讐する。が、復讐はしばしば後味のわるいものだ。いっそわれわれはみな他人を理解しようとつとめないほうがいいのではないか、人間というものは一般に、妻は夫を、恋人はその情人を、そして親は子供を、決して理解することがないという事実を承認して、他人を理解しようとすることをやめてしまったほうがいいのではあるまいか? おそらく、だからこそ人間は神を発明したーー理解する能力のある存在を。おそらく、もしおれが理解されたがったり、理解したがったりしたら、きっとおれは進んで信仰に迷いこんだことだろう、けれどもおれは報道記者(リポーター)だ。神は、もっぱら論説記者のためにのみ存在するのだ。
(p.66、『おとなしいアメリカ人 グレアム・グリーン全集14』早川書房)
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ギャレットさん、あなたは、
わたしが何故あなたにこんなことをしたか、
おわかりですか?
それは、あなたが、ろくすっぽ読みもしないで、
ポーの作品を焼き棄てたからですよ。
あなたは、人が、ああいう本は焼き棄てなければいけない
というのをきいて、その勧告に従ったのだ。
そうでなければ、さっきわれわれがここに来たときに、
あなたは、もうわたしが何をしようとするのか分かったはずなんですね。
無知ってのは致命的ですよ、ギャレットさん。
レイ・ブラッドベリ 『火星年代記』 小笠原豊樹訳
http://blog.livedoor.jp/yanoanoa/archives/1528856.html
・・・…[全文を見る]
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私たちはふだん、小さな小さな世界で生きている。
小さな小さな世界で働き、眠り、泣いたり笑ったりしながら暮らしている。
そして深呼吸したくなると旅にでる。
大きな空を見るために。
地球の丸さ見るために。
私の部屋は小さいけれど
ほんとうは
大空こそが屋根であり
大地の上で眠っているのだと感じるために。
・・・そしてまた、もとの小さな世界へ帰っていく。
泣いたり笑ったりしながら暮らすために。
(旅をされているある人の文章がきれいだったので…)
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「筋肉は、運動で壊れた組織を再生して強くなる。考えてみれば、気持ちも同じだ。
時には煩わしく感じる付き合いや、人との衝突を繰り返すうちに基礎ができて、たまには荷物の持ちっこができる力も養われる。運動すると筋肉痛が起きるが、それを嫌がっていたら、弱くなるばかりだ。」
「0と1の間」 『萩を揺らす雨』吉永南央より
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「フク、サチ、お祝いよ!」
エミコがそんな風に言いますが、二匹は「お祝い」というものが何なのか、分かりません。
「フク、オイワイって何か、知ってる?」
「やあだサチ、そんなものも、知らないっていうの?」
「何よ、あんたは、知ってるっていうの?」
もちろん、フクさんも知りません。でもほら、彼女は大変、気位が高い猫なのです。
「あー、あれよ、あれ、すごく、すごーく、裏のやつ。」
そう言うと、おでこのぶちをかりかりと掻きました。こうなるとサチさんも負けていられません。ほら彼女だって、大変、気位が高いのです。
「あー、あー、あれね。はっきり言って、早いやつ。」
「うしろから、長いやつ。」
「まんなかに、匂うやつ。」
西 加奈子「しずく」より
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時には万物の季語を決定したり、ひどい時には全てのものをSとMに分ける作業に没頭し「春は出会いと別れを強制するからSだ」「秋は読書だのスポーツだの好き放題使われてるからMだ」などとエイヒレにマヨネーズを付けながら好き放題言い合う。自分が発明家か革命家にでもなったつもりで世界にとって重要な核心部分に今自分が足を踏み込んでいるのだと妄信して。
~中略~
あっ、便所で「ゴキブリはMだ」と思ったのだけどテーブルに戻って皆に発表するのを忘れていた。今度会った時に言おう。皆驚いて、「やはりこの分野の権威は君だ」と言うだろう。
せきしろ×又吉直樹「カキフライがないなら来なかった」より
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現実認知の繰り返しはファーストガンダムからと
http://d.hatena.ne.jp/nuryouguda/20071204/1196784396
結局、アムロという少年は求めれば求めるほど、ことごとく奪われる少年なのである。
運命とか世界とかによって。
だからこそ、視聴者はフラストレーションを解消するカタルシスをアムロに仮託できる。
また、富野喜幸の言うように、死んでいったものたち、戦争によって奪われたものたちの代弁者としての資格を得る。
そして、その奪われても奪われても求めつづける力が生命力となる!
あー、だから俺はトミノアニメが好きなんだなあ。
そういう、ガッカリして、満た…[全文を見る]
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「狼が時々でますか」
「シュルレアリストが出てペルノを飲まして
こまるだべ」
ー 西脇順三郎 『失われた時』
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ゆく川の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。
よどみに浮かぶうたかたはかつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。
(鴨長明)
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「四方の石の壁は融けてなくなり、そのかわりにただ一本平らに伸びる冬の地平線が現れた。彼は雪と空だけの世界にたったひとりで佇み、風の音に耳をすまし、その中に混じりあっている匂いを嗅ぎわけようとしていた。(…)風は痛いほどに青い空から叩きつけるように吹き、さまざまな陰影を帯びた匂いを運んできたが、突然彼は自分がそれらに名前をつけられることに気づいた。水、野兎、狼、松、ヴェスタ。」
「彼は動かなかった。じっとしていると寒さが彼を苦しめにかかったが、やがて静寂が手に触れられるものとなって彼の呼吸や心臓の鼓動を律しはじめると共に、その感覚は過ぎ去ってしまった。静寂は彼の思考の中へ忍び込み、骨に浸透し、ついに彼は自分が空ろになり、冬の静けさを包む殻になったように感じた」
―パトリシア A. マキリップ『星を帯びしもの』脇明子訳
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「月光をあびた霜夜の牧場は、霜のはった一枚ガラスをひいたようで、川は黄金のようでした。川の黄金は、ふたりがみがいた、黒いひだのいくすじもはいった古いリネットの腕輪のようでした。寒さで電線がキンキン鳴っていました。その音は電柱に耳をあてると、びっくりするほどひびくものです。家の窓からさすあかりもなく、あたりにうごく生きものの気配もありません」
―ルーシー M. ボストン『まぼろしの子どもたち』瀬田貞二訳
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「この世界には、夏や秋や春にはくらす場所をもたないものが、いろいろといるのよ。みんな、とっても内気で、すこしかわりものなの。ある種の夜のけものとか、ほかの人たちとはうまくつきあっていけない人とか、だれもそんなものがいるなんて、思いもしない生きものとかね。その人たちは、一年じゅう、どこかにこっそりとかくれているの。そうして、あたりがひっそりとして、なにもかもが雪にうずまり、夜が長くなって、たいていのものが冬のねむりにおちたときになると、やっとでてくるのよ」
―トーベ・ヤンソン『ムーミン谷の冬』山室静訳
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「そりゃそうです。誰だってひとさまに胸を張れないところを持ってます。(……)さんだって確かに嫌なひとだったのかもしれない。偏差値的な優等性を必要以上に誇ったりするのは確かに愚かしいことでしょう。場合によっては顰蹙を買ってもおかしくない。だけど他人が見たら馬鹿らしいことだって、そのひとにとってはかけがえのない拠り所かもしれないじゃないですか。自分の存在を立脚させ得ることだからこそ、ひとは時として必要以上に己れの長所を誇示してしまうわけじゃないですか。他人には見苦しく映る。その通りです。それを本人が気づかず増長するのだって不愉快極ま…[全文を見る]
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寝ます。なんか寝ます。おやすみなさい。そしてありがとう。
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ライターの中野翠がエッセーの中でこの歌に触れていて、「突然頭に思い出した《ヘンな歌》」って感じのことを書いてたな。
年齢地域が同じでも、知っている人いない人。
私と彼女は20才くらい違って、住んでる場所も全く違うので、
すごく不思議な感じがした。
九州出自だとしたら、はてこさんに聞いたらなんかわかるかしら・・・・。
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魔王さん、エントリーあげてハイク的に調査をなさいませぬか。
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この元歌が長いこと気になってる!
子供の頃歌ってたんだけど、あれはどこからきた歌だったんだろう。
西郷隆盛が出てくるから、薩長関係の歌だったのかなー。
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「いつかは死ぬのだから」
死ぬのは決まっているのだから、ほがらかにやっていこう。
いつかは終わるのだから、全力で向かっていこう。
時間は限られているのだから、チャンスはいつも今だ。
嘆きわめくことなんか、オペラの役者にまかせておけ。
___超訳 ニーチェの言葉 051.
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「疲れたらたっぷり眠れ」
自己嫌悪に陥ったとき、何もかも面倒でいやになったとき、何をしてもくたびれて仕方ないとき、元気を取り戻すためには何をすべきだろう。
ギャンブル? 宗教? 流行のリラックス療法? ビタミン剤? 旅行? 飲酒?
そんなことよりも、食事をして休んでからたっぷりと眠るのが一番だ。しかも、いつもよりずっと多くだ。
目覚めたとき、新しい力が漲る別の自分になっているだろう。
___超訳 ニーチェの言葉 004.
自分に言ってるんだけどさ。