韓国フェミニズムの今日を築き、それぞれの専門分野でも著名な研究者の論文をまとめ紹介した希有の書。女性学、文学、哲学、倫理学、法学、教育行政の各分野から構成、韓国フェミニズムの斬新な活力と韓国固有の課題を模索する姿が多くの貴重な示唆を与える。
二〇一六年五月、スイス・ジュネーブの広場に巨大なポスターが現れた。そこには「What would you do if your income were taken care of?」(お金を稼がなくてよくなったら、あなたは何をしますか?)と書かれていた。これは、世界で初めてベーシックインカムを求める国民投票を実現させたアーティスト、エノ・シュミットらによる「世界最大の問い」だった。世界各地で導入の具体的な動きが広まるベーシックインカムは、社会や人間のあり方に何をもたらすのか。二〇一七年四月に同志社大学で開催されたシンポジウム「エノ・シュミットと語るコモンズ、フェミニズム、ベーシック・インカム」をもとに、四人の執筆者が「世界最大の問い」を考える。
高級リゾートホテルに泊まる紳士淑女。美食を満喫し、洒落た会話も弾むなかで完全密室の殺人が起こる表題作など、筒井康隆の傑作犯人当てミステリ!
女性解放運動の象徴と言われた雑誌『青鞜』の創刊から終刊までを追った評論。雑誌編集という観点からの分析により、平塚らいてうら“新しい女性"たちの等身大の姿を浮き彫りにする。(解説/中島京子)
動物をめぐる思想はここまで到達した
いまや動物にとどまらず、あらゆる存在の解放をめざす包括的正義の理論へと至った批判的動物研究を始めて本格的に紹介。理論水準を大幅に引き上げるとともに、実践へと誘い、シンガー『動物の解放』以来の衝撃をもたらす力作。
19世紀にはじまり、ピーター・シンガー『動物の解放』をもって本格化した動物擁護、動物解放の理論はその後、多様な社会運動や学問との協力・批判を経て、種を越えたあらゆる抑圧と差別に反対し包括的正義の実現を目指す、強靭な理論=実践へと鍛え上げられた。批判的動物研究と呼ばれ、世界的な隆盛をみせるその潮流は、いまやどんな思想も理論も無視できないものとなっている。本書では批判的動物研究を主に哲学、社会学、ポスト人間主義、フェミニズムの観点から整理、検証し、諸正義を結ぶ領域横断的な解放理論として描き出す。動物をめぐる数々の翻訳を手掛けてきた著者が、渾身の力で放つ初の著書。
◎目次
謝辞
序論
批判的動物研究
本書の構成
第一章 動物たちの現状
食用利用
肉用牛/乳用牛/豚/乳用牛/産卵鶏/魚介類
動物実験
行動研究/医学研究/製品試験
動物園と水族館
ペット産業
第二章 道徳哲学
功利主義革命
理論の重要性/功利主義アプローチの問題
動物の権利
内在的価値と生の主体/尊重原則から権利の導出まで/
権利論の実践的帰結/救命ボートの事例
新福祉主義
新福祉主義の実害/新福祉主義の元凶
廃絶主義アプローチ
単一争点の活動/平和的な脱搾取の啓蒙活動
第三章 社会学
抑圧理論
資本主義
商品化/物神崇拝
疎外
構造的暴力
労働者の逆境/環境破壊
動物産業複合体
エコテロリズム
第四章 ポスト人間主義
人間学、人間主義、人間中心主義
人間の名、動物の問い/生贄構造
生政治
生政治と生贄構造/動物生政治
ポスト人間主義の倫理
ポスト人間的状況/差異と応答/未分化と変成
資本・労働・抵抗
動物労働論/接触地帯/紛争地帯
第五章 フェミニズム
父権制と自然
女性・動物・自然/二元論の形成
父権的抑圧
残酷への意志/暴力の正当化/生殖支配/性と肉食…
フェミニズム運動史・思想史の原点である第一波のダイナミックな展開を膨大な資料を駆使して追求する。その全体像の解明。
若い女、中年の女、母親、主婦…孤立させられた女たちが声をあげたリブ。制度や意識の変化を経ても、性愛から老いまで、いまだ「名前のない問題」と向き合い生き抜く思想は終わらない。「女であること」と格闘し掴み取られて来たひとつひとつの価値を、手渡す/受け取るというセカンドステージへ。
フェミニズムはリベラリズムの継承者か、それとも批判者か。錯綜した関係を、集団と個人、性の商品化、自己決定権などから解く。
この世には二つの尺度がある。男の尺度と女の尺度である。私たちは、男の尺度=客観の前提を打破し、新しいフェミニスト英文学史を創造しなければならない。
〈パンデミック〉は何をもたらしたか?
いま、フェミニズムが解明する!
ウイルスは人間を〈平等〉に襲わない。コロナ禍で明らかになったのは、地球環境がいかに危機的な状況にあるか、また、私たちがいかに社会的・経済的に不公正で不平等な状況に置かれているか、ということだった。〈人間の尊厳〉と〈生存の平等〉、そしてみんなが生きのびることのできる世界を模索し、次世代へとつなげるための30余人の論考を収録。
1 〈パンデミック〉と女性/感染症と文学
松田秀子 有元伸子
岩淵宏子 内野光子
千種キムラ・スティーブン
2 〈交差性〉から探る新たな読み
岩見照代 渡邊澄子
上戸理恵 羽矢みずき
江口佳子
3 21世紀・ポストヒューマニズムの可能性
与那覇恵子 小林富久子
遠藤郁子 山田昭子
4 循環する自然/いのち/セクシュアリティ
渡辺みえこ 永井里佳
橋本のぞみ 矢澤美佐紀
近藤華子 中島佐和子
5 映像に見る〈パンデミック〉と現代
岡野幸江 藤木直実
渡邉千恵子 溝部優実子
6 フェミニズムの“力”
小林美恵子 小林裕子
吉川豊子 真野孝子
羅麗傑 漆田(土井)和代
7 高良留美子氏 追悼
[資料]新・フェミニズム批評の会
三〇年のあゆみ
「“ポスト”フェミニズム」とは何か?精神分析学、ポスト構造主義、ポストモダニズム、ポストコロニアリズム等の批評理論と交差しながら、理論をさらに先鋭化・深化させ、新たな領野を切り拓いていくフェミニズムの新段階のことである。先鋭化・深化を進める“ポスト”フェミニズム理論の図解による初の入門書。ラカン、フーコーから、バトラー、セジウィックまで。
私たちは忘れない!
書くことが女にとって解放とともに
呪縛となった「あの時代」を
関東大震災からアジア・太平洋戦争へ。激動の時代に、
女性作家はどのように生き、何を表現したのか。
3・11以降の、戦後七〇余年を経た危機的な「今」、あらたな視点で問い直す。
忌まわしい過去を再来させないために
本書の構成を、「1 関東大震災以後のモダニズム」、「2 プロレタリア文学ーー労働・闘争・抵抗」、「3 帝国の〈外地〉と〈内地〉」、「4 戦争とジェンダー」、「5 女性文学の成熟と展開」の5章としたのは、かつてない激動の時代の中で複雑かつ多様な女性たちの表現や活動を捉えようとしたためである。
───「はしがき」より
林芙美子❖岡本かの子❖宇野千代❖尾崎翠❖ささきふさ❖中本たか子❖平林たい子佐多稲子❖八木秋子❖宮本百合子❖小山いと子❖牛島春子❖川上喜久子森三千代❖田村俊子❖大田洋子❖阿部静枝❖野上弥生子❖真杉静枝❖岡田禎子中河幹子❖辻村もと子❖原阿佐緒❖大谷藤子❖吉屋信子❖網野菊❖矢田津世子
97人の女たちが真摯につづった率直な思い!彼女たちにとって、フェミとはいったい何だったのか。
いのちに向き合うフェミニズム批評に取り組んできたメンバーの作品は、期せずして合い呼応し、女、性、民族、歴史、文学、映像、メディア、教育など多様な視点から、核や原発のもつ反生命性、反人間性を浮かび上がらせ、まさに文明史の転換を示唆している。
アメリカというダイナミックな文化に展開する最近のフェミニズム批評を、文学批評の流れの中にたどるアンソロジー。いま、フェミニズム批評が見えてくる。
ヒロインたちの境遇を描き分けることで、近代夜明けの女の生き難さをくっきりと浮かび上がらせた女性作家・樋口一葉。〈性差の規範〉を超えゆこうとした表現の全体像を「女性の視点」でとらえた画期的論集。
誤解や無知によってせっかく与えられている本当の快楽を味わう事なく過ごしてしまうのは、もったいないことだと思います。本書は、性の初歩的な疑問、性のテクニック、現実の悩み、男女の性愛の違いなどに明快に応えております。巷に氾濫する珍説、俗説、医学的説、伝説、錯覚の類いまで網羅し、正しい性知識を身に付けるように配慮しました。
いま、なぜ『青鞜』か。「新しい女」を生んだ『青鞜』とはどんな雑誌だったのか。創刊から約90年、女性たちを取り巻く状況はどう変わり、何が変わらないのか。女性問題を論じた先駆としてのみならず、近代女性文学の成果として、多角的に発掘・再評価する本邦初の試み。23人の気鋭による決定版評論集。