欧米には見られない独特なジャンルである「少女小説」。明治末期から現在までの少女小説の物語構造を代表的な作品やジュニア小説・コバルト文庫、マンガ、ラノベを素材に読み解いて、時代ごとに変わる“少女像”や少年/少女の分割線の変容をあぶり出す。そして、明治末から百年間にわたり受容されてきた少女小説がはらむジェンダーの問題系を解明する。
ビューティー・サロンは「女らしさ」を読み解く絶好のスポット。身体・ジェンダー・健康をめぐる利用客の多彩な関心と、美容という労働の位置と経験を鮮やかに浮かび上がらせ、新たなフェミニスト思想の地平を拓く。
序 章 近代の旅路ーー1903年中国女性
第一章 中国民族主義の神話ーー進化論・人種観・博覧会事件
1 中国近代の民族主義をめぐって
2 華夷・人種の表象
3 「保国」「保種」と社会進化論
4 黄帝神話・黄種・黄禍論
5 大阪博覧会事件
6 章炳麟の対周縁少数民族観
7 進化論と民族主義の行方
第二章 恋愛神聖と優生思想
1 五四新文化ディスコース
2 中国における優生学の受容
3 人口論・産児制限・恋愛結婚と優生思想
4 社会変革・女性解放言説と優生思想ーー周作人・周建人を中心に
5 優生学論争ーー周建人・潘光旦
6 恋愛の行方・フェミニズムの困境
第三章 足のディスコース
1 身体の国民化
2 纏足の表象
3 国粋から「残廃」・国恥へ
4 「落伍の足」の苦悩
5 纏足の末路と「質」の再発見
第四章 民族学・多民族国家論ーー費孝通
1 多民族性
2 近代中国人類・民族学の成立
3 費孝通の思想形成
4 「マルクス主義」の困難
5 「多元一体」中華民族論
終 章 近代から見える現在
注
参考文献
あとがき
人名索引
この本は、2013年11月16、17日に開催した日中韓女性史国際シンポジウム「女性史・ジェンダー史からみる東アジアの歴史像」の諸報告と、2014年3月22日開催の総合女性史学会大会「女性史・ジェンダー史からみる東アジアの歴史像ー女性史の新たな可能性を求めて」における諸報告を再構成し、1冊にまとめたものです。
今までになかった『判断力批判』入門!
近年の再検討事項でもあるジェンダーの視点を取り入れつつ、「難解」と評判のカント美学を理解しやすいように解説。
はじめに
第一章 無関心性:快の感情の分析(その一)
第二章 主観的な普遍性:快の感情の分析(その二)
第三章 目的のない合目的性:快の感情の分析(その三)
第四章 範例的な必然性:快の感情の分析(その四)
第五章 三つの原理と正当化:快の感情の正当化
おわりに
1930年代と50年代、それは人々が主体性に目覚め、闘争や自己表現を集団で企てた時代だったーー戦争文学から綴方運動、女性運動、原水爆言説を議論の対象にして、多様な表象行為を実践する人々のありようを解きほぐし、〈民衆〉の今日的な可能性に迫る。
はじめに
第1部 一九三八年、拡張する文学ーー周縁の発見と包摂
第1章 「民族」の〈歴史性〉と「民衆」の〈普遍性〉--島木健作『生活の探求』、火野葦平『麦と兵隊』
1 「民衆」「大衆」へのまなざし
2 「民衆」の称揚が意味するもの
3 「農民」ないし「民衆」の表象ーー島木健作『生活の探求』
4 「民族」の境界を越えてーー火野葦平『麦と兵隊』
5 「文学」への期待
第2章 周縁を表象する書き手たちーー豊田正子『綴方教室』、火野葦平『麦と兵隊』
1 『綴方教室』ブーム
2 綴方の文体規範と書き手像
3 火野葦平『麦と兵隊』の語り
4 ジャンルを超える価値
5 拡張する文学
第3章 「少女」たちの語りのゆくえーー太宰治「女生徒」「千代女」とその周辺
1 鑑賞すべき「生地のよさ」
2 「何心なく」書くことーー太宰治「千代女」
3 「女生徒」のセクシュアリティ
4 太宰治の「青春」と「少女」たちの語りのゆくえ
第2部 一九五〇年代、綴る/語る女たちーー発話の政治性あるいはマジョリティ形成とアイデンティティ
第4章 「人民文学」と〈書くこと〉--階級的視点と国民文学論
1 「人民文学」という雑誌
2 「勤労者」の文学
3 労働者階級は何を(傍点2字)書きうるのか
4 「国民文学」をめぐって
5 どのように(傍点5字)書くべきなのか
第5章 「私」を綴る「人びと」--一九五〇年代における「綴方」
1 「綴方」をめぐって
2 江口江一「母の死とその後」
3 意識へのまなざしーー一九五〇年代の言説空間
4 表象される「なかまたち」
5 無色な「大衆」の登場
第6章 泣く「女」たちーー「平和」の語りとジェンダー
1 『二十四の瞳』と日本教職員組合婦人部
2 模索される「女教師」像ーー第一回婦人教員研究協議会とジェンダー
3 報告から語りへーー『扉をひらくもの』と『母と女教師と』
4 〈愛〉と〈無力〉--映画『二十四の瞳』
5 「涙」の力
第7章 〈未来〉の諸相ーー原水爆禁止署名運動とジェンダー
1 原水爆禁止署名運動
2 女性表象と未来志向
3 破綻する時間の物語ーー大田洋子『夕凪の街と人とーー一九五三年の実態』
4 〈未来〉は誰のものか
5 〈未来〉の諸相
終章 〈無色〉な主体のゆくえーー「声」の承認をめぐって
初出一覧
おわりに
不安定な現代社会,わが子の将来を憂う親たちの心は揺れている。「やりたいことをさせてあげたい」「自立してほしい」「女の子だから近くにいてほしい」……。ジェンダー,経済,地域の違いによって中間層の親たちがとる子育て戦略・実践はどう変化するのか。
第I部 地域と格差社会
第1章 親の教育行動と地域差
第2章 公教育に対する親の意識の地域差ーー公立学校教育改革の進行と「脱出」意欲の変容
第3章 進学に向けての地域格差とジェンダー格差ーー背景にあるケア役割への期待
第II部 ジェンダーという格差
第4章 女性の就業選択ーー母親の就業経歴を中心に
第5章 教育する父親の意識と実践
第6章 家族の実践とジェンダーの構築
第III部 子育てする親の戦略
第7章 子どもの「主体的進路選択」と親のかかわり
第8章 個人化する社会と親の教育期待
終章 子育ては変わるのかーー格差社会を越える子ども観・子育て観を考える
いま激動する社会に最適なかたちを模索して試行錯誤する日本の家族。進化心理学、文化心理学など新たな視点をも統合した、新しい家族心理学。
摂食障害の経験をもつ女性の感情や気持に耳をかたむけ、その言葉を通して、女性と性をとりまく問題群を明るみに出す。
数量限定特装本
DEEP PURPLE PRINT EDITION
「1990年代NYを駆け抜けた私たちの青春が、完璧なまでに描き出された、愛おしい1冊」
ーークロエ・セヴィニー(女優、ファッションデザイナー)
「ピチカート・ファイヴNY初ライヴは‘91年のライムライト。最初のファンは愛すべきクラブキッズ達だった! ページをめくるとあの熱狂が蘇る。」
ーー野宮真貴(シンガー)
「マコーレー・カルキン主演の映画『パーティ☆モンスター』はクラブ・キッズを描いたフィクションだった。N.Yシーンのリアルは、本書にある。」
ーー トモ・スズキ(映画『パーティ☆モンスター』日本公開パーティ首謀者)
「90年代NYの自由で妥協のない姿勢はMACの哲学と重なり、カルチャーの中心で表現を更新し多くの人を今もなお魅了し続けている。その美学を受け継いだJunちゃんによる翻訳!」
ーー池田ハリス留美子(M·A·C Global Senior Artist(Japan))
「ボルケーノのような爆発力を持ったマイノリティーな存在が、現代の自分達にも大きな影響を残すモノへと変わっていった歴史をこの本で知ることが出来た。
自己表現のエネルギーがほとばしっていた世界への嫉妬や憧れを感じてやまない。」
ーーAmazing JIRO(特殊メイクアーティスト)
「ニューヨークのゲイたちが一度は必ずファンタサイズするあのウォルト·キャシディが語る歴史なのであれば、読むしかない。」
ーーHiraku(中村キース・へリング美術館)
「これは、いつか終わりが来ると知りつつも、手探りでメッセージを発信し続けていたクラブ・キッズたちの記録と物語だ。憧れだった、あのキラキラしたニューヨークがつまった一冊!」
ーーアーティスト・増田セバスチャン
世界中のトップメディアが認めた『必読書』
■ Vogue
「90年代の夜を闊歩した、華麗なクリーチャー(怪物)たちによる見事なクロニクル。若さゆえの老獪さと無垢さが同居する、心に響く回想録だ。」
■ New York Magazine
「1988年に『クラブ・キッズ』を命名した本誌が認める、ハイインパクトなビジュアル・ダイアリー。貴重な未公開写真や資料が詰まったアンダーグラウンドの全記録。」
■ Dazed
「ニューヨークという街を舞台にした、豊かで多層的な物語。大胆なファッション、記憶に焼き付くメイクアップ、そしてそこに集うセレブリティたち。」
■ Artforum
「ネット以前、リアルなコミュニティの中でしか体験でき…
序文 by マーク・ホルゲート(VOGUE USファッションディレクター)
はじめに クラブ・キッズ達のリアルな日常
第1章 グローバル・ヴィレッジ 地球村
第2章 クラブ・キッズとの出会い
第3章 自分自身のルックを磨く
第4章 ハウス・カルチャー
第5章 身体改造
第6章 テクノ・ウォーリアーズ
第7章 ドラッグの影響下で
第8章 巨大(メガ)クラブ
謝辞
東京大学博士課程に在籍していた8研究科・男女54名、女性限定公募実施10大学・採用者14名へのインタビュー調査から見えてきた、アカデミアに根深く残るジェンダー・ギャップ。その実相を描き、解消に有効な方策を提示する。
はじめに(中野円佳)
第1章 日本の女性研究者の現状(久保京子)
1 女性研究者の割合
2 女性研究者の増加という社会課題にかかわる政策
3 研究・教育の現場で女性が抱えている困難
4 まとめ
補論1 「パイプラインの水漏れ」現象はどう議論されてきたか(中野円佳)
第2章 六八人の人生からーー研究の方法と対象者(中野円佳)
1 東大博士課程出身者調査
2 女性限定公募調査
3 質的研究の意義
第3章 女性博士課程大学院生の研究室ネットワークにおける困難(久保京子)
1 大学院に着目する理由
2 女性学生の研究室ネットワークへの参加を阻害する要因
3 男性学生との関係
4 女性学生の研究室ネットワークへの参加を促す要因
5 まとめ
第4章 なぜアカデミアを離れたのか(中野円佳)
1 博士課程修了後、アカデミアに進まなかったケースを分析する
2 三つの径路
3 三つの径路から見えること
第5章 ライフイベントの中の困難ーーどう回避し、乗り越えるか(九鬼成美)
1 ライフイベントとキャリアの関係
2 ライフイベントの中で何が研究継続の困難とされるか
3 キャリアの困難をどう回避し、乗り越えるか
4 まとめ
第6章 女性限定公募は解決策になるか(中野円佳)
1 解決策としての女性限定公募
2 女性限定公募を活用した大学・部局への調査
3 女性限定公募で採用されるという経験
4 岐路に立つ女性限定公募
補論2 女性限定公募をめぐる賛否(中野円佳)
補論3 米国大学の女性研究者支援事業(木原友紀)
終章 大学は何をすべきか/してきたか(中野円佳)
おわりに(中野円佳)
織工として定収入を得る人から、彼女たちの家事を代行して稼ぐ人まで、戦間期にイギリスの女性の働き方や暮らしは一気に多様化する。理論と実証研究の統合を目指した意欲的なオーラル・ヒストリー。一九二〇年代以降にイングランド北西部、ランカシャーで就労していた女性の経験について、一九九〇年代初頭に実施した調査をまとめたもの。
被爆国がなぜ原発大国になったのか?ヒロシマはなぜフクシマを止められなかったのか?なぜむざむざと54基もの原発建設を許してしまったのか?-。
ヨーロッパ中世、近世イタリア、戦中・戦後の日本映画、ピンクリボンキャンペーンなど、古今東西の乳房イメージと社会との関係を明らかにして、女性の身体そのものから乖離している乳房イメージと、それに密接に絡み合うジェンダー力学を解明する乳房文化論。
はじめに 山崎明子
第1章 男/女の差異化ーー医学的言説における乳房 黒田加奈子
1 医学史概略とジェンダー
2 医学史に見る乳房・乳をめぐる言説ーー体液としての乳
3 薬剤としての乳
第2章 美の威嚇装置 山崎明子
1 ピンクリボンキャンペーンとは
2 ピンクリボンキャンペーンの歴史
3 蓄積される乳房の表象
4 新たな意味創造の困難
5 「乳がんではない」美しい身体
6 表象の裏切り
7 ピンクリボンキャンペーンをめぐる表象の政治学
第3章 「聖戦」論理の構築 池川玲子
1 戦時下日本映画にみる「授乳」のイメージ
2 銃後映画の「授乳」イメージ
3 戦地・占領地映画の「授乳」イメージ
4 満洲移民映画の「授乳」イメージ
第4章 都市秩序の再生 新保淳乃
1 ペスト危機と乳房イメージ
2 ペスト図像での乳房イメージ
3 授乳しない乳房の系譜
4 都市秩序の再生
第5章 男性優位のジェンダー秩序の再編/強化 千葉 慶
1 「危機」の時代の/「危機」に抗する日本映画ーーレイプ表象の生産/消費の背景
2 「俺たちをケダモノにしたのはお前たちじゃないか」--「劣情有理」とレイプ表象
3 「あんたも、お嬢さんなんて仮面を早く取ることだな」--「レイプ神話」の定着へ
あとがき 山崎明子
ジェンダー平等をめぐる教育現場での錯綜は男子になにをもたらすか。
男子の学力不振、厄介者の男子、「男らしさ」の市場価値の下落……
男のあり方をめぐるパラドックスに迫る。「男性優位社会」日本における 男の生きづらさ とは。
第1章 男子問題の時代? -男子をめぐる論争の展開と構図ー
第2章 男性支配のパラドックス -男の生きづらさ再考ー
第3章 下落する「男らしさ」の市場価値 -産業構造の変化と男性支配の再編ー
第4章 ジェンダーの正義をめぐるポリティクス -保守・平等・自由ー
第5章 個性尊重のジレンマ -〈男女平等教育〉の実践事例からー
第6章 分けるか混ぜるか -別学と性別特性をめぐる言説の錯綜的展開ー
第7章 男子研究の方法論的展開 -「ジェンダーと教育」研究のさらなる可能性ー
女性と政治を隔てているものとは何か?
共同体に滅亡をもたらす者、革命家として憲兵の刃に倒れる者、産まれたばかりの我が子を手にかける者……死と暴力にまみれ、恐怖(テロル)の相貌を帯びた女性たちはなぜ描かれたのか。
19、20世紀を生きた作家たち、宮崎夢柳・福田英子・平林たい子・三枝和子の諸作品から、今なお根強く残るジェンダー秩序と、女性表象や女性解放をめぐる問題に鋭く切り込む。
凡例
序章 公/私区分とジェンダー
1 自由と女ー宮崎夢柳の政治小説
第一章 「佳人」の死ー「芒の一と叢」における女性表象
はじめに
一 「諸君は此の髑髏の誰れたるを知るか」
二 勤王志士の系譜
三 女性像の転換
おわりに
第二章 土佐を歩く夢柳ー初期テクストと土佐自由民権運動の距離
はじめに
一 夢柳と土佐自由民権運動
二 陽暉楼/得月楼
三 「近水の楼台月の面影」
四 「芸郡紀遊」
おわりに
第三章 「鬼啾啾」における「主義」と「私事」
はじめに
一 女性像の変遷
二 公/私区分の再編と「自由」な政治的主体
三 「私事」としての女権論
おわりに
2 階級と女ー福田英子と平林たい子
第四章 「女壮士」の行方ー景山英子から福田英子へ
はじめに
一 英子をめぐる言説1-崇拝と侮蔑
二 英子をめぐる言説2-〈公〉か〈私〉か
三 『妾の半生涯』の同時代的文脈と戦略
四 「婦人世界」における女性解放論
おわりに
第五章 「理知」と「意志」のフェミニズムー平林たい子における公/私の脱領域化
はじめに
一 「承認」の政治からの再評価と批判
二 「理知」と「行動への意志」
三 「施療室にて」
おわりに
第六章 境界をめぐる物語ー平林たい子「夜風」論
はじめに
一 公的な活動様式
二 「身辺的認識」からの脱却
三 農民文学をめぐる論争
四 「夜風」
おわりに
3 文化と女ー三枝和子のフェミニズム・ディストピア
第七章 亡霊的な「女性原理」-「鬼どもの夜は深い」を中心として
はじめに
一 滅亡への志向性
二 亡霊としての「女性原理」
三 「鬼どもの夜は深い」
四 一九八〇年代フェミニズムにおける和子の位相
おわりに
第八章 「自由」への憧憬と懐疑ー『八月の修羅』から『隅田川原』へ
はじめに
一 第二波フェミニズムと「自由」
二 『八月の修羅』
三 「江口水駅」
四 「隅田川原」
おわりに
第九章 友でもなく、敵でもない者
はじめに
一 「敵」と「友」の境界線の混乱
二 「「法」ロゴス」と「エリーニュス」
三 「幽冥と情愛の契りして」
おわりに
終章 テロルの女たち
初出一覧
あとがき
索引
1980年代から現在に至るまで活躍する女性作家たちの小説を、結婚制度とそれにまつわる社会状況を照合しながら多角的に考察する。
凡例
序 章
第一節 「結婚小説」の解体
第二節 近代文学研究における「家族」(一)-家庭の崩壊と女性表現の批判性
第三節 近代文学研究における「家族」(二)-家族の「多様化」という評価
第四節 近代文学研究における「家族」(三)-「家族」概念の操作
第五節 本書の研究方法と目的
第六節 本書の構成と概要
注
第一部 結婚の境界線を探ること
第一章 労働と結婚を繫ぐものー山本文緒・絲山秋子の女性表象からー
第一節 均等法以後ー篠田節子『女たちのジハード』が残したもの
第二節 ゲームの裏切りー山本文緒「囚われ人のジレンマ」
第三節 「無意味さ」としての女性身体ー絲山秋子「勤労感謝の日」
第四節 均等法が残したもの
注
第二章 暴力からの脱出/他者への接近ー津村記久子「地下鉄の叙事詩」論ー
第一節 公的領域としての鉄道内空間
第二節 新自由主義の内面化
第三節 暴力の空間
第四節 満員電車という環境下のジェンダー
第五節 公共空間における偶発的なすれ違い
注
第二部 異性愛主義の延命
第三章 結婚をめぐる争いー笙野頼子『説教師カニバットと百人の危ない美女』論ー
第一節 文体と物語内容
第二節 「怒り」の居場所
第三節 「愛」と「不公正」の狭間
第四節 もう一つの争い
第五節 生活を共にする「猫」
注
第四章 教化される感覚ー多和田葉子「犬婿入り」論ー
第一節 「郊外文学」の系譜
第二節 国立市の歴史をめぐって
第三節 伝播する犬婿伝承
第四節 忘却された感触
注
第五章 包囲される/衝突する女性同性愛ー松浦理英子『ナチュラル・ウーマン』における欲望と関係性ー
第一節 「女性同性愛」表象の分析にまつわる困難
第二節 婚姻制度の牽制
第三節 白と赤の衝突
第四節 欲望と関係性の差異をめぐって
第五節 「完璧な眺め」を見下ろすなかで
注
第三部 選択肢としての結婚/まとわりつく結婚
第六章 親族関係という「蜘蛛の巣」-金原ひとみ作品の二人組と結婚ー
第一節 金原作品における「結婚」の機能
第二節 「不妊」の行方
第三節 「母」になる/させられるということ
第四節 子供の「親」とは誰なのか?
注
第七章 「不幸」な結婚が意味するものー鹿島田真希「冥土めぐり」論ー
第一節 結婚の「新たなモデル」?
第二節 「冥土めぐり」の快楽
第三節 「母殺し」の方法と脱出の構図
第四節 飼い慣らされる「不幸」
注
第八章 「家族」を作らないという選択ー姫野カオルコの介護作品を中心にー
第一節 「介護の社会化」の後に
第二節 滑川までの「三時間」
第三節 赤江朋子の家族構成
第四節 鶯小屋からの親密性
注
終章
第一節 各章の要点
第二節 偶発的な親密性を取り込むこと
注
後記
性別移行し生きる道を模索し続ける人々の生活史
女(らしさ)/男(らしさ)という二元的かつ固定的な性のあり様にもとづく社会の様相に変革をもたらす当事者たちの可能性とは
日本における性同一性障害にもとづく社会問題化の様相およびその背景について明らかにし、また、ジェンダー形成の観点から、当事者たちが直面している困難が生じるプロセスや、その背後にある社会構造の問題を明らかにする。
はしがき
第1章 トランスジェンダーの社会問題化
第1節 用語ーートランスジェンダー・LGBT(Q+)・SOGI(ESC)
第2節 ラベリング理論と構築主義アプローチ
第3節 一九九〇年代後半から二〇一〇年代までの様相
第4節 社会問題化と〈中心ー周縁〉化
コラム1 りりぃの生活史ーー生い立ち
第2章
トランスジェンダーの生活史調査
第1節 トランスジェンダーの病理/脱病理化
第2節 調査の概要
第3節 3名の事例分析
第4節 当事者たちのリアリティ
コラム2 りりぃの生活史ーー性別越境と性風俗
第3章 トランスジェンダーの教育支援
第1節 教育支援とジェンダー形成
第2節 4名の事例分析
第3節 ジェンダー/セクシュアリティに関する意識
コラム3 りりぃの生活史ーー学びと研究
第4章 トランスジェンダーの二重生活
第1節 女装者論と理論的枠組み
第2節 2名の事例分析
第3節 女装者たちが直面する困難
コラム4 りりぃの生活史ーー海外渡航
第5章 トランスジェンダーのジェンダー形成
第1節 まとめーー主流となった社会問題化と当事者たちの困難再考
第2節 今後の展望ーー差別の客体から変革の主体へ
第3節 本書の意義と限界
あとがき