「山宣ひとり孤塁を守る……」は、戦争とファシズムに反対した山宣こと山本宣治=孤高の人というイメージを広げたが、しかし実際には彼の大衆的人柄は多くの人々に愛された。治安維持法改悪には170人の議員が反対し、生物学者・性科学者であり科学と政治のかかわりを実践的にとらえていた山宣の生き方は、今日の市民社会と政治のあり方に新たな視座を与えるだろう。
〈推薦のことば〉
衆議院議員・立憲民主党国会対策委員長 安住 淳
私は、山本宣治先生の主義主張を超えた人間のあるべき姿を見い出したのです。立場は違いますが、あのようにありたい。時代に流されずに、おもねらず、筋を通す。時代を超越した凄みを、私は感じました。
衆議院議員・日本共産党国会対策委員長 穀田 恵二
立憲野党は、戦争への道許さないという立場で闘っています。「だが私は淋しくない 背後には大衆が支持してゐるから」の文言を、現代に置き換え、「市民と野党の共闘」が厳然と存在するとしました。
〈推薦のことば〉
衆議院議員・立憲民主党国会対策委員長 安住 淳
衆議院議員・日本共産党国会対策委員長 穀田 恵二
はじめに〜今なぜ山本宣治が注目されるのか
〈略歴〉山本 宣治
第1章 生物学者・山本宣治と科学的社会主義
1 スペイン・インフルエンザと山本宣治
2 神戸中学を1年足らずで退学
3 進化論と社会主義を学んだカナダ時代
4 G.F.ニコライ『戦争の生物学』上下の翻訳
5 『無産者生物学』における科学と社会
6 ジェンダー平等をめざして〜山本宣治『恋愛革命』
7 科学と政治の在り方〜コロナ禍のなかで
第2章 野党と市民が共同する時代の到来と山本宣治
1 日本共産党大会での立憲民主党・安住淳氏のあいさつ
2 山宣暗殺翌日の川崎安之助議員(立憲民政党)の国会での追悼演説
3 「立憲主義の危機」〜「大阪朝日新聞」「大阪毎日新聞」
4 3月8日の仏教青年会館(東京)での山宣告別式
5 京都三条青年会館での山宣・渡政労農葬
6 治安維持法の改悪に反対した170人の議員たち
7 韓国語版『民衆ととともに歩んだ山本宣治』(宇治山宣会)の刊行
8 山本宣治への新たな光〜分断を乗り越えるために
9 新しい時代、山宣の生き方と理論に学び実践する
第3章 社会運動史研究と社会運動の実践
1 山宣のDNA〜立憲民主党国対委員会が第92回山宣墓前祭に寄せたメッセージ
2 山宣の「孤高イメージ」の形成と研究者の立ち位置
3 戦後の社会運動家たちと戦争孤児
4 花やしきに泊まった本多公栄
5 信田さよ子『家族と国家は共謀する』を読む
あとがき〜最後まで生物学者であろうとした山宣
政治代表における男女の不均衡を是正するため、候補者・議席の一定数を女性に割り当てる制度、ジェンダー・クオータ。いまや世界の趨勢となっているこの制度をヨーロッパ、アジア、南米の事例から検証し、日本で導入される政治的条件を探る、画期的な試み。
女性教員の「声」を可視化する!
不平等な学校組織や慣習に対して、女性教員と女性管理職が連帯し、
変革をめざして闘ってきた主体としての教員の姿を描き、
学校現場の女性教員にエールを送る書。
1990年代以降の学校女性管理職比率の推移の中で、女性教員はいかに管理職志向を高め、また低下させてきたのだろうか。そして、〈教育改革〉との関わりはあるのだろうか。
調査から得られたデータをもとに、この30年間の学校現場の変化、〈教育改革〉に葛藤する女性教員・女性校長や男性校長の姿も浮き彫りにし、女性管理職の存在意義と学校教育の現在を問い直す。
はじめに
序 章 小中学校女性管理職をめぐる課題
第1節 学校管理職におけるジェンダー不均衡─何が問題か─
第2節 女性管理職の過少性をめぐる問題─なぜ問題なのか─
第3節 本書における3つの視点
第1章 女性教員・女性管理職へのまなざしの推移
─先行研究の検討─
第1節 女性教員研究
第2節 女性管理職研究
第3節 〈教育改革〉と女性教員─日本とイギリスの場合─
第4節 一般企業の女性管理職研究
第2章 研究・調査について
第1節 研究の全体像
第2節 研究の方法─「女性教員の声を聴く」─
第3節 調査について
第4節 本書の構成と用語・表記
第3章 〈教育改革〉期における女性教員の教職生活の変化
─〈教育改革〉導入前と導入後における比較─
第1節 教育政策と社会的動向の推移
第2節 調査について
第3節 2001年世代と2018年世代の比較
第4節 変化の全体
第4章 なぜ女性管理職比率は上昇したのか:1990年代〜2000年代前半
─〈教育改革〉導入前の女性教員たち─
第1節 時代背景
第2節 「女性教員支援団体」の活動
第3節 調査について
第4節 管理職を志向した女性教員たち
第5節 女性教員たちの努力・連帯・抵抗
第5章 なぜ女性管理職比率は停滞・低下したのか:2000年代後半〜2010年代
─〈教育改革〉導入後の女性教員たち─
第1節 時代の変化
第2節 調査について
第3節 管理職志向を躊躇する女性教員たち─女性教員のライフヒストリー─
第4節 〈教育改革〉下の管理職志向
第6章 〈教育改革〉に取り組む小中学校長の受容と葛藤
第1節 改革の担い手としての校長
第2節 調査について
第3節 〈教育改革〉施策への対応
第4節 施策対応に見られるジェンダー差
第5節 校長が直面する諸課題
第7章 〈教育改革〉下における女性校長の学校経営─困難とやりがい、リーダーシップ
第1節 〈教育改革〉と女性校長
第2節 調査について
第3節 学校経営の困難とリーダーシップ─女性校長のライフヒストリー─
第4節 ジェンダー平等と女性管理職の展望
終 章 連帯の回復へ
第1節 女性教員・女性校長にとっての〈教育改革〉期
第2節 〈教育改革〉と「ジェンダーをめぐる社会的動向」─「バックラッシュ」の地方における展開─
第3節 女性管理職の存在意義と女性管理職を増やすための方向性─女性教員の連帯を求めて─
おわりに
第一章 署判にみる中世の文字文化とジェンダー
第二章 『日本霊異記』にみる転換期の女と男
第三章 恋する女性は蜘蛛を歌った
第四章 運慶願経にみる運慶の妻と子
-女大施主と阿古丸をめぐってー
第五章 大姫・乙姫考
-「父の娘」から「太郎の嫁」へー
第六章 父の膝
第七章 鎌倉の禅尼たちの活動とその伝説化について
第八章 御成敗式目とジェンダー
終 章 ジェンダーで読む中世日本社会
-若干の補足とまとめー
長期にわたるライフヒストリーインタビューによる調査から、求職者支援訓練が女性受講者のその後の仕事、生活や意識にどのような変化をもたらしたのかを明らかにする。求職者支援訓練を社会とつながる場として捉え、訓練を通じて獲得される「力」の獲得過程を分析。本制度の成果と今後の政策改善のあり方を考察する。
序 章 女性たちのエンパワーメント
◆第1部 日本の労働市場と女性の能力形成
第1章 就労支援とジェンダー
第2章 エンパワーメント概念の整理
◆第2部 求職者支援制度の創設と概要
第3章 公共職業訓練と求職者支援訓練
第4章 職業訓練科目の考察
◆第3部 女性たちのライフヒストリー
第5章 学卒から訓練受講前まで
第6章 訓練後から約10年間のキャリアの変遷
終 章 職業訓練が拓く女性のエンパワーメント
参考文献
初出論文一覧
資 料
資料1 求職者支援訓練 医療・介護事務科 訓練日程
資料2 求職者支援訓練後に想定される職業職種分野一覧
あとがき
索引
一橋大学リレー講義「ジェンダーから世界を読む」から、
『ジェンダーと「自由」』に続く第三弾!
第二波フェミニズムの理論の成果が、マイノリティの承認(アイデンティティ)を
進める方向に手を貸したときに、たくさんのマイノリティ、あるいはたくさんの「わたし」が
その存在を認めてもらったが、そのかわりに忘れ去られたのが再分配(経済)の問題だった
ーーナンシー・フレイザーが端的に示しているように、フェミニズムの運動は、
女が一種の階級であるかのように下層に置かれていた現実の変革を目指すべく
始まったものの、各種権利が男と同等のものとして与えられたとき、
実のところその権利が市場への消費者としての参入へと変換され、結果として
新自由主義が生みだしたあらたな経済的格差(再分配)の問題を見えなくしている。
私たちは承認と再分配を並び立たない二律背反の問題として捉える発想に
はまりこんでいるのではないだろうか。
はじめに
第一部 承認と再分配の問題とは何か
第一章 承認論とジェンダー論が交叉するところ(藤野 寛)
第二章 フレイザーとバトラーの「再分配/承認」論争(加藤 泰史)
第三章 ポストフェミニズムと日本社会(菊地 夏野)
-- 女子力・婚活・男女共同参画
第四章 〈分配か承認か〉の手前で(岡野 八代)
-- ケアの倫理からの再考
第五章 分配的正義から交換的正義へ(中山 徹)
-- 「我が家の楽園」としてのコミュニズム
第二部 承認、再分配、そして文化
第六章 「貧困との戦い」の行方(越智 博美)
-- 貧困の文化化とアパラチア
第七章 学習社会とポストフェミニズム(河野 真太郎)
-- 『リタの教育』における終わりなき成長
第八章 シングルマザーが夢見るユートピア(町田 みどり)
-- 『時を飛翔する女』における「家族」のオルタナティヴ
第九章 承認の外へ(井上 間従文)
-- 根間智子と仲宗根香織の写真における「問い」としての沖縄
第十章 フランスの地方美術館による作品収蔵と芸術家の様相(小泉 順也)
-- 印象派とポスト印象派を中心に
第三部 イスラームと女性
第十一章 イスラームと女性の地位(鵜飼 哲)
-- まず、知るべきこと
第十二章 現代フランスにおける「スカーフ論争」とは何なのか(森 千香子)
-- レイシズムと女性の身体をめぐって
第十三章 表象=代表 (representation) 、知識人、教育(中井 亜佐子)
--マララ・ユスフザイの国連スピーチを読む
失われた女学生の物語
モダン都市文化が花開く1930年代から、戦時色に覆われる1940年代へ。
恋愛を夢見ながら、高等教育機関への進学や、職業的自立を目指した女学生は、
時代をどのように駆け抜けていったのか。
この本は、伊田が行ったジェンダー論・ダイバーシティ論の講義録である。15回分の講義であるので全部で15冊となるもののうちの第3回の講義録(下巻)である。
なお、長くなったので第3回講義録は、紙媒体の場合(ペーパーバック、POD)、上巻と下巻の2回に分けて発行する。
第3回講義「ジェンダー秩序の理解を深めるーーーー「美の秩序」と「ジェンダーをめぐる諸論点の検討」を中心に」(下巻)
目次
3-3-1 弱者男性論からの「反フェミ」の誤りーー「弱者男性論」や「インセ
ル」問題を考える
3-3-2 弱者による「権利の乱用」問題ーーポリコレやキャンセルカルチャー
の問題も含めて
3-3-3 「女性の安全」の名を利用したトランスジェンダー排除言説状況の
問題
3-3-4 女性運動・フェミニズム攻撃、アファーマティブアクション攻撃、困
難女性支援法攻撃の問題(コラボ問題含む)
3-3-5 異論による対立・分断か、寛容性を持った統一戦線形成か
3-4 様々な資料から見る、ジェンダー、主流秩序の状況
3-5 第3回の課題と学生の応答例
参考資料
はじめに
第一章 男女共学の実施
一 女子教育政策としての男女共学
二 ジェンダー観の継承
三 新制高等学校の発足
第二章 男女共学の見直し論議
一 男女共学の状況
二 風紀問題という視点
三 女子の特性教育という視点
第三章 短期大学の女子教育機関化
一 短期大学の誕生
二 二つの短期大学
三 中堅職業人の養成
四 女子教育機関としての純化
第四章 女子学生批判が意味したもの
一 四年制大学に通う女性たち
二 女子大学無用論
三 女子学生亡国論
第五章 「家庭づくり」をめぐる政策
一 家族への関心
二 「家庭づくり」
おわりに
参考文献
事項索引
人名索引
この本は、伊田が行ったジェンダー論・ダイバーシティ論の講義録である。 15回分の講義であるので全部で15冊となるもののうちの第2回の講義録である。
『主流秩序概念を使ったジェンダー論の実践ーーダイバーシティの理解と絡めて』と名付けたこの講義で語ったことの大枠を紹介するものである。
第2回講義の内容
性(ジェンダー)とダイバーシティについての入門論ーージェンダーとは? 男女二分法の問題、性の多様性、LGBTQ(性的マイノリティ)、ジェンダー秩序、ダイバーシティ、多数派と少数派、ジェンダー平等へのバッシング
以上について、独自の視点も入れてジェンダーとダイバーシティについての基本を展開する。
第2巻・目次
2-1 主流秩序関係補足
2-2 ジェンダー/ジェンダー秩序とは何かーー性(ジェンダー)についての基本理解
2-2-1 性(ジェンダー)とは?
2-2-2 性の多様なあり方を認識するための様々な概念
2-3 ジェンダー秩序の観点からの多数派と少数派とダイバーシティの理解
2-3-1 ダイバーシティの理解を深める
2-3-2 大坂なおみ選手のBLM主張行為に対する理解
2-4 ジェンダー(秩序)に対する無理解やバッシング関係の情報
2-4-1 右派の政治思想とジェンダー平等・LGBTQの権利との対立
2-4-2 杉田水脈議員の問題
2-4-3 自民党と統一教会問題とジェンダー問題
2-5 様々な資料から見る、ジェンダー秩序、主流秩序の状況ーーとくに同性婚問題
2-6 第2回の課題と学生の感想例
今回の第7回の講義は、主流秩序的なものから離れて生きる人々や思想的営みから「脱主流秩序のヒント」を学ぶものである(第8回、9回でもこのテーマあり)。
具体的には、様々な映像からいろいろ学んだり、キム・スヒョンの著作や「群衆心理」を学ぶ、ネルケ,茨木のり子、村上春樹さん、高木顕明、竹中彰元の生き方を学ぶ、などがある。またダイエット・モデル問題(「美の革命」)、LGBTQ、承認欲求問題など絡めて様々な素材から、生きづらさを主流秩序とつなげて考えて行く。そのほとんどがジェンダー秩序も絡まっているので、ジェンダー論でもあることは再度確認しておきたい。
現代において人権論を学ぶ上で、群衆化の問題を避けることはできず、それはトランプ支持者的状況による「人権自体への攻撃」として世界でいま猛威を振るっている。したがって、トランプ大統領がらみの世界政治における「分断、極右化、人権(DEI)攻撃」の情報にも力を入れている。
本書は印刷用に上下に分割したうちの、第7回講義録の上巻である。
【目次】
第7回講義 群衆心理と脱主流秩序
上巻目次
7-1 今までの学びの振り返りーー「キム・スヒョン」のまとめかたを中心に
7-2 群衆心理と主流秩序ーー「トランプ支持者的意識」の検討含めて
7-2-1 「群衆」の検討ーール・ボンとオルテガ、ゲッペルス
7-2-2 「民主主義」と「選挙」の検討
7-2-3 「トランプ支持者的状況」の検討
7-2-3-1 トランプ支持者的状況
7-2-3-2 トランプ支持者的状況から我々が得るべき教訓
7-2-3-3 共和党大会にみられるトランプ支持者的状況の実態
7-2-3-4 世界に広がる大衆を偽情報で操る政治ーー情報空間とアテンション・エコノミー
7-2-3-5 民主党大会にみられる「トランプ支持者的状況」の逆の意識
7-2-3-6 群衆化する人々の心理
7-2-3-7 表層的なメディアの報道と「対話の試み」
7-2-3-8 大統領選で考えるべきこと
7-2-3-9 トランプによる暗黒時代の開始
7-2-3-10 特にジェンダー(DEI)に関する非科学的バックラッシュについて
7-2-3-11 トランプ時代についての考え方の整理
7-2-4 石丸人気・参政党人気と群衆化
7-2-4-1 石丸現象
7-2-4-2 参政党現象
7-2-5 「群衆にならないためのリベラル・アイロニー」--ローティをてがかりに
7-2-6 ハイデガーの「世人」と「決意性」
7-2-7 群衆になっていいのかーーまとめ
7-3以降は下巻
今回は、私のジェンダー論の大事な視点の一つ、シングル単位の理解を、社会民主主義の社会、北欧社会の実態と結び付けて理解する。また、北欧社会と対照的に、日本社会がどうなっているのか、家族単位での新自由主義的なシステムのまま、赤字国債でごまかす政治(経済運営)をしてきたという厳しい現実、不都合な真実(実態)に目を向けたい。日本社会をジェンダー平等、ダイバーシティ社会にするためには、この根本問題に蓋をしないで直視した上で、解決策を考えていかねばならないと提起する。これは病気があるときにはちゃんと検査をして診断し病名を確定し、治療するしかないという話である。
だが日本の政治家・リーダーたち・メディアの現実は、いまこの社会を持続可能でまともなものにしていくための政治的対抗軸(大事な骨太の対抗ビジョン)を示すことができず、「103万円の壁」という無税範囲を広げる方向に変えようとするなど、間違った方向で争うポピュリズム政治になってしまっている。群衆化した人々もそれに煽られて「財務省解体」など間違った要求をしている。重要な「どうすれば根本的な解決に至れるのか」という視点、「社会民主主義と結びついたなシングル単位の観点」が欠如しているのである。
なお、私は「こうしたら今からでも日本の諸問題は解決する」という現実的な案はないと思っている。その事実認識をもたずに、ポピュリズム政治を行い、さらに問題を先送りにしつつ状況をさらに悪化させている状況だと認識せざるを得ない。そういう話をこの回ではしている。
本書は、第6回講義録の下巻で、6-5以降を収録している。
「参考資料」の一部は上巻に掲載している。
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
第6回講義 主流秩序からの離脱の展望としての個人単位型の社会民主主義社会ーー北欧と日本の対比
(下巻)
目次
6-5 様々な資料から見る、ジェンダー、主流秩序の状況
6-5-1 日本人中心主義と入管法
6-5-2 その他、主流秩序にかかわる諸問題ーー共同体主義とシングル単位論の関係を
中心に
6-6 第6回の課題と学生の感想例
参考資料
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
【この回の内容】
今回の第8回講義も、引き続き、脱・主流秩序の方途を考える材料を提供していく回です。
北欧諸国の例や学問的知見から、ジェンダー平等・ダイバーシティの具体像を知り、自分の生き方や日本の現状も考えます。具体的には、主流秩序論との関係で、スローの視点、アニマルライツ、自己肯定感、結婚、保育、学問の役割、“推し活”、ヘイトスピーチ等の検討を行います。ブルデユーやフーコーをはじめとして様々な学問的概念も参考にして主流秩序論を深く理解していきます。朝鮮人虐殺問題や朝鮮学校差別、「奇妙な果実」等を通じて日本のヘイト問題も深めます。
本書は印刷書籍用に上下に分割したうちの、第8回講義録の下巻である。
第8回講義 北欧諸国の例や学問的知見から、ジェンダー平等・ダイバーシティの具体像を知り、日本との対比や自分の生き方を考える
【下巻】
目次
8-7 様々な事例から主流秩序を学ぶ
8-7-1 主流秩序論は禁欲主義ではない
8-7-2 主流秩序と「美の秩序」
8-7-3 へイトスピーチ関連と主流秩序
8-7-3-1 日本の外国人差別・ヘイトスピーチ関係
8-7-3-2 「奇妙な果実」--米国の黒人差別との闘いの歴史
8-7-4 主流秩序を考えるその他の話題
8-8 第8回の課題・と学生さんの記述例
参考資料
環境問題関係 215
スロー、非所有の生き方 ムヒカ大統領の生き方 225
「SDGs、多様性、寛容」というなら 「ヴィーガン」「アニマルライツ」問題にも理解を示していこう 基本的理解の紹介 240
参考資料 歴史の事実を見ないヘイト傾向ある日本社会 258
第5回講義で学ぶ内容は、アドラー心理学とアリストテレスの倫理学とフランクルの考えを使って、主流秩序・ジェンダー秩序、それにとらわれない道のことを深く学ぶことである。
目的論、優越コンプレックス、劣等コンプレックス、課題の分離、承認欲求からの離脱(エンパワメント、レジリエンス)、ギブ&ギブなどの理解、人生の目的に関するフランクルの答え、「態度価値」等を通じて、主流秩序からの離脱のヒント(真のジェンダー平等、多様性)を学ぶ。
世間の変なもの(=主流秩序)に惑わされない、振り回されない力をつけるための一つである。
例年、アドラー心理学を学ぶと面白いというひとが多いが、アドラー心理学と主流秩序の関係をとらえて総合的に理解するのは難しいのだなと感じている。 というのも、主流秩序というような捉え方がまだ身についていなくて、アドラーとのつながりまで理解するのがむつかしいからだが、それでは、アドラーの言うこと自体を適切に理解できないのではないかと思う。アドラーというとアドラーだけを学ぶというのでは全く不十分だと思う。ちゃんと講義を聞いて、今までの話とつなげて理解してほしい。
アリストテレスの議論についても、フランクルについても、本講義では、主流秩序論とつなげて理解することを目指す。すると生き方論として、なかなか参考になることを言っていると理解できる。善く生きるとか、幸福とは何かとか、良い人生とは何かとか、観想的生活とか中庸とか、人生は砂時計とか、人間は2種類しかないとかなどを考える。
また参考映像なども見て学び、劣等コンプレックスだけでなく、自分や周りの人の「優越コンプレックス」「承認欲求ゆえの言動」を見つけて、それが主流秩序への囚われの一側面だと理解してほしい。そうした優越感からくる行動や承認欲求行動が主流秩序を強化・再生産するという可能性が高くなることなども理解してほしい。
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
第5回講義 アドラー心理学とアリストテレス倫理学とフランクルーー競争、劣等感からどう離脱するか、どう善く生きるか、人生の生き方の大原則
目次
5-1 ここまでの講義を受けて深めるーーフロムの現代人把握
5-2 アドラー心理学から学ぶ主流秩序
5-3 フランクルから「人生の生き方の大原則」を学ぶーー主流秩序に対してどういうスタンス
をとるかから生まれる価値:「態度価値」
5-4 アリストテレスの倫理学を参考に、「主流秩序と生き方」を考える
5-5 「いざというときに動く」という問題
5-6 様々な資料から主流秩序を考える
5-6-1 アドラー心理学がらみの問題と主流秩序
5-6-2 オリンピック問題・万博問題と主流秩序
5-6-3 「主流秩序と多様性と生き方」を考える様々な事例
5-6-4 中居氏性加害疑惑を端緒とした諸問題についての主流秩序論的検討
5-7 第5回講義の課題と学生の応答例
参考資料
【この回の内容】
第9回講義は、講義前半(第1回〜9回)のまとめの回である。
分量が多くなったので、本としては、第9回を2つに分けて、「後半」では、「9-6-6 パレスチナーイスラエル問題の評価との関係で」以降を収録する。
暴力と非暴力の現実を考えるうえで、イスラエルへの西側諸国の態度は、いかに今の日本と世界の主流秩序がゆがんでいるか、ロシアに言っていることと矛盾しているかが示されるであろう。
またこの第9巻「後半」では、ここまでの講義(第1回から9回まで)の感想や、講義全体への感想も多く紹介している。これによって、前半全体が俯瞰されるであろう。
参考資料としては、カタールのWorld Cupを事例としてスポーツと主流秩序(政治)の関係の検討も紹介している。
なお、第9回の講義録が長くなったので、4冊(「9-前半の上巻/下巻」「9-後半の上巻/下巻)に分けて印刷書籍発行する。つまり電子書籍版は2冊、印刷本は4冊になっている。
本書はその第4分冊(9-後半の下巻)である。愛国心やプロパガンダ、ナショナリズム問題のまとめや、この講義を受けて何を考えたかの学生の声を多く紹介している。
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
第9回講義 ガタロさんの生き方から学ぶーー主流秩序から自由になるという希望
目次(後半ー下巻)
9-6 煽動される群衆にならないためにーー戦争と非暴力主義、戦争へのプロパガンダ
9-6-7 戦争と愛国心と主流秩序についてのまとめ
9-7 その他、様々な資料から主流秩序とダイバーシティについて考える
9-8 第9回の課題・と学生さんの記述例
9-9 この講義を受けた感想
参考資料
第1巻紹介文
この本は、伊田が行ったジェンダー論・ダイバーシティ論の講義録である。15回分の講義であるので全部で15冊となるもののうちの第1回の講義録である。
『主流秩序概念を使ったジェンダー論の実践ーーダイバーシティの理解と絡めて』と名付けたこの講義で語ったことの大枠を紹介するものである。
通常のジェンダー論の枠を超える挑戦的な試みである。学生の反応・レポート・感想・体験談も豊富に載せているので、この講義の意義・効果が分かってもらえるものと思う。
印刷本は内容修正加筆は難しいが、電子本の方は、順次加筆していく予定である。
目次
第1回講義「どんな講義をするかーー主流秩序概念の説明」
はじめにーーこの講義の“感じ”を示す雑談的な導入の話(および講義録の説明)
1-1 自己紹介とこの講義の全体像
1-1-1 自己紹介とこの講義の導入の話
1-1-2 全15回の講義の目次
1-2 主流秩概念序概念を使ってジェンダーを考える
1-2-1 この講義全体のスタンスと目的
1-2-2 主流秩序とは何か:基本
1-2-3 主流秩序の理解を深めていく
1-3 第1回講義の課題と学生の感想例
参考資料
この講義を終わっての最終感想」から
主流秩序理解の補助のためにーー過去の拙著の一部紹介
第1回講義録・あとがき
全15回の講義の索引
従来から労働法分野や家族法分野で多く争われ、判断が出されてきたジェンダー法の領域。近年では生殖、戸籍、社会保障、損害賠償における逸失利益といった、様々な場面での裁判例が蓄積されている。主張立証責任という観点からこのような裁判例をみると、女性や性的少数者の側に非常に多くの負担が求められている状況はないか。このような状況が主張立証責任に及ぼす影響やあるべき姿を追求し、新しい権利の生成発展と要件事実との関係をも捉え直す。
はしがき
ジェンダー法と要件事実・講演会 議事録
[講演1]ジェンダー法と基本的権利……池田弘乃
1 性と法
2 3つの訴訟の検討
3 少数者と権利
[講演2]ジェンダー関連訴訟において主張立証活動を行ってきた立場から……寺原真希子
1 はじめに
2 選択的夫婦別姓訴訟の概要
3 「結婚の自由をすべての人に」訴訟(同性婚訴訟)の概要
4 実際の主な主張立証活動
5 立法目的の認定方法について
6 立法事実の評価要素としての国民の意識/社会的承認について
7 不利益性の重大の認定・評価手法について
8 司法の立ち位置について
[講演3]平等・性別・家族ーー自由への制約や、異なる取り扱いへの正当化可能性をめぐって……松田和樹
今日の話の流れ
性別割り当ての行方
婚姻・家族の行方
[コメント1]……三浦徹也
[コメント2]……吉良貴之
[質疑応答]
[閉会の挨拶]
要件事実論・事実認定論関連文献
要件事実論・事実認定論関連文献2025年版……永井洋士・山崎敏彦
要件事実論
事実認定論
この本は、伊田が行ったジェンダー論・ダイバーシティ論の講義録である。15回分の講義であるので全部で15冊となるもののうちの第4回の講義録(上巻)である。
『主流秩序概念を使ったジェンダー論の実践ーーダイバーシティの理解と絡めて』と名付けたこの講義で語ったことと配付レジメの大枠を紹介するものである。
なお、長くなったので第4回講義録は、紙媒体の場合(ペーパーバック、POD)、上巻と下巻の2冊に分けて発行する。
***
この回は、ここまで提起してきた主流秩序という概念がどういう実践的な効果をもたらすのかが分かってくる回になるような講義である。つまり第1回講義で主流秩序という社会や自分の見方の「メガネ」を提供し、第2回、第3回講義で主流秩序とつなげてのジェンダー(秩序)についての基本とダイバーシティ、マジョリティ/マイノリティ、交差性などの理解を深めて、最近の対立を解きほぐすための視点を提供してきた。その上で、今回は主流秩序の視点が生き方における3つ【4つ】の道を考えさせるものであること、主流秩序論の目指すものが何なのか、主流秩序からの離脱とは何か、などを学ぶ。
もう少し具体的には、主流秩序のプラスとマイナス、連立方程式、カツアゲ場面で何ができるか、主流秩序への3つ【4つ】のスタンス、間接介入 、「3つの道」の視点で考えるべき多様な現実、 いざというときに動けるようになるにはどうしたらいいか、非暴力主義、 様々なケースを通じて主流秩序の状況やそれと対抗する営み、政治やメディアにおける主流秩序の状況、魅力的なフェミ、などについて学んでいく。
また学生の様々な体験談や4つの道についての考察例も紹介し、この学びの意味や効果を理解していく。
第4回講義 主流秩序への3つ【4つ】のスタンス(上巻)
目次
4-1 ここまでの話を振り返る
4-2 主流秩序のプラス面とマイナス面および主流秩序論の目指すもの
4-3 主流秩序からの離脱を考える:「3つの道(スタンス)」の提起
4-4 「3つの道」の視点で考えるべき多様な現実
4-4-1 主流秩序への3つのスタンスにかかわる考察
4-4-2 学生が考えた多様な「主流秩序への抵抗」例
4-4-3 様々な題材を「主流秩序への3つのスタンス」の視点で考える
4-5 非暴力主義について学ぶーー暴力的な主流秩序への対抗の一つ
(4-6 以降は下巻)
参考資料