ないものとされてきた存在を可視化する、
部落女性9人による実践と思想。
婦人水平社100年の姉妹たちの歴史、レイシズムとしての部落差別、識字文集、聞き取り、自立生活運動、フェミニスト・カウンセリング、部落解放運動、在日朝鮮人運動、障害者運動、反差別運動、むらの「食」の記憶、地域・コミュニティ……
被差別部落をルーツに持つ女性たちが、それぞれの研究や活動現場から「部落」を語り直す、これまでになかったフェミニズムの書。
編者まえがき
第1章 部落女性の「不可視化」とフェミニズム──レイシズムとしての無関心 /藤岡美恵子
第2章 祖母、母、わたしと婦人水平社の姉妹たち/宮前千雅子
第3章 私から、われわれ、そして私へとつながる物語/福岡ともみ
第4章 私が生きのびるための思想・生活・運動/石地かおる(聞き手:のぴこ+川崎那恵)
第5章 私たちはここにいる/のぴこ
第6章 「食」の記憶に浮かびあがる部落女性たち──ある皮なめしのムラの聞き取りから/瀬戸徐映里奈
第7章 地域・コミュニティにとって「当事者」とは誰か?/坂東希
第8章 私たちが部落を語るために──部落に生きる者たちの系譜/川崎那恵
第9章 不可視化への歴史的抵抗、主体と権利の奪還/熊本理抄
あとがきにかえた謝辞
フェミニズムは終わらない、いや終わりようがない
フェミニズムの終焉をかたる「ポストフェミニズム」の時代を経て、私たちは再びその盛り上がりに立ち会っているといわれる。だがそこで喧伝される「新しいフェミニズム」の実像と、その向かう先は果たしてどこまで理解されているだろうか。ネオリベラリズムと結託した「リーン・イン」や「女性活躍」の欺瞞を問い、セックスワーカーやトランスジェンダーへの差別、「慰安婦」問題などそこからこぼれ落ちるものにまなざしを向けることで、見えてくるものとは。フェミニズムをあきらめないための、たしかなる提言。
身近にいる(だろう)在日朝鮮女性の姿は今日では十人十色どころか百人百色で決して一様ではない。
既婚者の場合、配偶者が日本人というケースが多数を占める現状にある。かつて在日朝鮮人は60万人といわれたが、ポジティブに捉えたら在日朝鮮人にかかわりを持つ人々が増えていることになる。しかし関係性をポジティブにするためには、直接、間接の経験、その記憶の破片をジグソーパズルのようにつなぎ合わせる作業が必要である。破片が磨滅したり、消えてしまう前に、当事者のみならず、関係者の記憶の歴史的意味を知る必要があろう。この歴史的意味を知るために、植民地主義という認識枠を用いたい。「民族」に関わることを強烈に記憶するのも、記憶を疎むのも植民地主義のなせるわざである。
在日朝鮮女性が個別に経験した家父長制や性差別と植民地主義との関係性、それらがどこまで普遍性をもち、分ちあえるものなのか?
【目次】
はじめにー在日朝鮮人フェミニズムを編み上げる試み(梁・永山聡子)
本書の経緯
多様な在日朝鮮人を見えなくする罠
日本社会が透けてみえるー日本名を使うこと、朝鮮名を使うこと
最後に
第1章 はじめにー足元から始まる歴史
植民地主義の継続
間接的強制連行
「民族」を学ぶスタート
近代資本主義と性差別・家父長制
世界に住む朝鮮民族と出会う
紡績女工から始める在日朝鮮人の歴史
資本主義に必須なのは性差別
質疑応答
最後に一言ー拾い集めた歴史学
第2章 植民地期の在日朝鮮人の暮らし
支配者が揶揄するセクシュアリティ
民族解放は民族分断へ
民主「日本」における植民地主義への囲い込み
教育を創る闘い
「生」をめぐる闘いと創造
重層的な法的地位
第3章 在日朝鮮人の破片を繋ぐ
どのように繋いでいくか
在日朝鮮女性に近代家族は可能か
高度経済成長期の在日朝鮮女性
女性解放とは誰のことなのか?
民族学級・夜間中学での経験
特別永住者とはー在日朝鮮女性の法的地位
外国人登録と指紋押捺拒否
韓国の海外旅行自由化と変容する「猪飼野」
一人芝居を演じる女性たち、繋いでいく歴史
口承文化にみる植民地の民
第4章 植民地主義が強化する家父長制
植民地主義批判のフェミニズム
在日朝鮮女性の文学
ジェンダーからみた在日朝鮮人男性文学
「母国語」に見る植民地主義の歴史
声を発する在日朝鮮女性
在日朝鮮人をみる他者の目
第5章 届かない思い・届けたい思い
崩壊・離散する家族の「母」物語
映画の中の在日朝鮮女性表象
多文化共生論への「逆襲」
日本の家父長制と植民地主義
名前の政治学
特別永住権の非特権性
植民地主義から語る「慰安婦」問題
精神医療から見る在日朝鮮人
脱植民地主義と地下茎で繋がる日本の民主化
おわりにー「日本のフェミニスト」を解体する(熱田敬子)
ふぇみ・ゼミ&カフェとは?
ご寄付のお願い
男女平等をうたいながら、性差別的な言葉や行為に満ちた学校空間。差別と抑圧を超え、自己を解放する力をもたらすために教育に何ができるのか? 性差別の再生産を止め、既存の権力関係に変化をもたらそうとする新しいフェミニズム教育論!
[目次]
序章
第1章 フェミニズムとフェミニズム教育
1 権力をめぐるフェミニズムの考え方
2 構造としての権力関係への対応の仕方
3 女性学の誕生とその教育実践
4 フェミニズト・ペダゴジーによる権力関係への対応と失敗
5 権力関係の構造を変えるには
第2章 ポストフェミニズムにおける女性の主体性
1 頭のなかの得体のしれない力
2 ポストフェミニズム
3 ポストフェミニズムと新自由主義の共鳴
4 ポストフェミニズムの主体性
5 「作者とは何か」
第3章 学校教育のなかの二重基準と二重意識
1 学校がもたらす二重基準
2 二重基準への対応
3 W・E・B・デュボイスの論じた黒人の「二重意識」
4 学校現場の女性たちの二重意識
5 ハラスメントの構造ーー二重基準のあらわれ、そして二重意識を生み出すもの
6 バックラッシュと性差別ーー変化への抵抗
7 どちらの自己を養うのか
第4章 性差別はそこにあるのに、私たちはみんな見えなくさせられている
1 男子は落ちこぼれていない
2 リベラル・フェミニズムの教育研究
3 「男とか女とかことさら取り立てない」という学校文化
4 フェミニズムの意識を持つ教師
5 女子生徒たちの「抵抗」とポストフェミニズムとのつながり
第5章 困難な「セーフ・スペース」づくり
1 意識化
2 「習慣」の力
3 セーフ・スペース
4 権力が聞きたいことを繰り返す
5 女の語りは疑われる
第6章 情動のフェミニズム教育
1 身体を通じたコミュニケーション
2 エロスと情動
3 情動が伝わる教室環境
4 予測不可能なことを教室にもたらす情動
5 情動のコミュニケーションを習慣化する
終章
境界を越え出ていくこと、それこそが自由の実践としての教育だ。ブラック・フェミニストが自らの経験をもとに語る、新たな教育への提言。解説 坂下史子===肌の色、ジェンダー、階級といった差異を前にして、すべての人に開かれた「学びの共同体」をつくることはできるか。まず自分自身を批判的にみつめ、変えるための教育はいかにして可能か。ブラック・フェミニストの大学教師であるベル・フックスが自らの経験をもとに、学生と教師の双方に語りかける。教室での性差別や人種差別にどう対処するか、異なる経験をいかに語り合うか、学ぶことの歓びと不安……。フレイレの批判的教育学やフェミニズムの教育思想、黒人教師の教育実践を導きに語る本書は、様々な境界を越え出る「自由の実践としての教育」のためのヒントに満ちている。 ===教室をどう変える?肌の色、ジェンダー、階級の囲いを破るために。ベル・フックスが教師と学生に語った名著。===【目次】はじめに1 関与の教育2 価値観に革命をー多様な文化を尊重するために3 変化を恐れないー多様な文化のなかで教える4 パウロ・フレイレ5 解放の実践としての理論6 本質主義と経験7 姉妹の手をとってーフェミニストの連帯8 フェミニスト的に考えるーいま教室で9 フェミニストの学究生活ー黒人研究者として10 教えの共同体をめざしてーある対話11 言葉ー新しい世界と、そして新しい言葉を12 教室の内なる階段を見据える13 教育過程とエロス、エロティシズム14 エクスタシーーとめどなき教えと学び新版訳者あとがき解説 ベル・フックスを学び直すこと(坂下史子)
はじめに1 関与の教育2 価値観に革命をー多様な文化を尊重するために3 変化を恐れないー多様な文化のなかで教える4 パウロ・フレイレ5 解放の実践としての理論6 本質主義と経験7 姉妹の手をとってーフェミニストの連帯8 フェミニスト的に考えるーいま教室で9 フェミニストの学究生活ー黒人研究者として10 教えの共同体をめざしてーある対話11 言葉ー新しい世界と、そして新しい言葉を12 教室の内なる階段を見据える13 教育過程とエロス、エロティシズム14 エクスタシーーとめどなき教えと学び新版訳者あとがき解説 ベル・フックスを学び直すこと(坂下史子)
その歴史と意義が2時間でわかる、著者初の総合的な入門書。
学校で習った「男女雇用機会均等法」や「男女共同参画社会基本法」。これらは、真の男女平等を実現するものではなかった? フェミニズムはなぜ生まれ、何を変え、何を変えられなかったのか。その流れを「四つの波」に分けてコンパクトに解説する。女性参政権、性別役割の解放、#MeToo……。過去を知り、自分の経験を再定義する言葉を手に入れるために。日本におけるフェミニズムを切り開き続けてきた第一人者が、多くの経験知とともにフェミニズムがたどった道のりを語る。
フェミニズムの大きな潮流を捉える
「いかなる社会や集団においても、あらかじめ定められたモデルなどは存在せず、女性の解放を訴える声は複数ある。その道のりは、一度きりの出来事で決まるようなものではない」(「日本語版まえがき」より)。
本書は、フェミニズムの歴史を世界規模で捉え、その多様性と発展を探究する。フランス革命期から現代に至るまでを三つの時代に分け、結婚、教育、参政権、生殖の自己決定権などのテーマを中心に、フェミニズム運動の進展とその背景を分析する。また、国際的な連帯や植民地主義などとの関係を描き、ブラック・フェミニズムやラディカル・フェミニズムの台頭も取り上げる。特にフランスにおいては、フェミニズムが国家形成や市民社会との関わりを深め、独自の歴史を築いてきた経緯を詳述する。
フェミニズム史を包括的に理解するための一冊。
[目次]
日本語版まえがき
序章 グローバルなアプローチ
第一章 男女平等の主張と女性の解放(一七八九年〜一八六〇年)
1 人権(男性の権利)と女性の権利
-アメリカおよびフランスの革命の潮流
2 フェミニズムと初期社会主義
3 改革派フェミニズム
第二章 国際化の時代(一八六〇年〜一九四五年)
1 ナショナルおよび国境横断的な集合的ダイナミズム
2 平等のための闘い
3 新しい女性たちと解放
第三章 男女平等と女性解放のために(一九四五年〜二〇二〇年)
1 改革派フェミニズムの連続性
2 フェミニズム運動のラディカルな刷新(一九六〇年〜一九八〇年)
3 フェミニズムの拡散と多様化(一九八〇年〜二〇二〇年)
結論
謝辞
訳者あとがき
参考文献
男性特権にいかに向き合うか、「弱者男性」論は差別的か、自らの「痛み」を消さない男性学はあるかーー。
著者が近年さまざまな媒体で発表した、フェミニズムやトランスジェンダー、そしてメンズリブなどジェンダーに関わる重要な考察を一冊にまとめた、著者初の男性学批評集。
加害と疎外が複雑に絡み合う「男性問題」のジレンマを、丁寧に解きほぐす一冊。
◆目次◆
はじめにーーこれからの男性解放批評のために
【1】
男が男を省みるーー加害性と疎外の複雑なねじれ
「痛み」を消さない男性学を
男性特権にいかに向き合うか
澁谷知美+清田隆之編『どうして男はそうなんだろうか会議』を読む
【2】
私の性被害
村上春樹『女のいない男たち』を読む
村上春樹『街とその不確かな壁』を読む
「真の弱者は男性」「女性をあてがえ」--ネットで盛り上がる「弱者男性」論は差別的か?
インセルとは誰か?
批評と男性性ーー男性解放批評に向けて
渡部直己『子規的病牀批評序説』を読む
松浦理英子と男性解放批評
魯迅と暗黒男性批評
トランスジェンダー/フェミニズム/メンズリブーー『笙野頼子発禁小説集』に寄せて
日本的男性性とアパシーーー交差的な対抗運動のために
【3】
男性解放批評とは何か?--終わりに代えて
あとがき
◆著者略歴◆
杉田俊介 (すぎた しゅんすけ)
1975年生まれ。批評家。『フリーターにとって「自由」とは何か』(人文書院)でデビュー。以後、文芸評論や労働・貧困問題について著述。著書に『非モテの品格』『マジョリティ男性にとってまっとうさとは何か』(ともに集英社新書)、『男がつらい!』(ワニブックス)、『宮崎駿論』(NHKブックス)、『糖尿病の哲学』(作品社)など多数。差別問題を考える雑誌『対抗言論』(法政大学出版局)では編集委員を務める。
アートとフェミニズムは少なくない人びとからよく見えなくなっていて、その実態がよくわからなくなっている。いわば、アートとフェミニズムは入門したくてもできない「みんなのものではないもの」になっているのが実情だ。もともと、「みんなのもの」になろうとするエネルギーを持っているアートとフェミニズム。理解の断絶が進む現在の状況に風穴を開けるにはーー。フェミニズムを使ってアートを読み解く、あたらしい試み。
フランス革命以降、人権への強い関心の潮流は止まらず、世界は今最もリベラル化していると言える。とはいえ、さらに男性に変化が求められる近年は、フェミニズムの視点抜きで、国や企業の成長は語れない。世界標準に遅れ、その分、伸びシロたっぷりの日本が知るべき「男女同権」の歴史とは? 米国で家族法を学び、自身も後発で目覚めた著者が、熱狂と変革のフェミニズム史を大解剖。ウルストンクラフト、ボーヴォワール、マッキノン、与謝野晶子など、主要フェミニスト五十余人を軸に、思想の誕生とその展開を鷲掴みした画期的な入門書。
大注目のフェミニストが語り合う!
(目次)
第1章 フェミニズムに救われた
フェミニズムは生きるための心の杖だった
茶碗を洗いながら泣いていた母親の姿
良妻賢母の呪い
そもそもジェンダーって何? フェミニズムって何?
テレビは拡声器だった
30年前の予言がズバリ的中
第2章 結婚したい? したくない?
「女はパンを、男はパンツを」
配偶者控除はなくすべきか
稼いでいるから、ぶつかれる
一人の大黒柱ではなく、二本の柱で生きていく結婚
ジェンダーイコールな男子を一本釣り
資本主義社会での家事労働からの解放
自立して恋愛が必要なくなった
親から逃げるには結婚しかないのか
なぜ「男嫌い」にならなかったのか
血縁や結婚ではないつながり
昔は「女性は裏切るもの」と思ってた
フェミニズムと女友達
第3章 男女は見ている景色が違い過ぎる
ネット上での女叩き
パートナーにフェミニズムを説明するには
子どもへの性教育をどうする?
男性が弱音を吐くこと
男性にもフェミニストのロールモデルを
綺麗になりたい夫と剛毛でいたい妻
第4章 生きづらいのは私のせいじゃない
家族のあり方を問い直す
子どもを産み育てやすくするための政治
セクハラが女性のキャリア形成を阻む
夜職の女性たちへの職業差別
私たちの生きづらさは誰のせい?
女性議員が少なすぎる
生活が苦しいのは自己責任ではない
第5章 私たちの怒りは喉元まできている
学問ではないフェミニズムが響いた
#MeToo以降の最近のフェミニズム
一人一人に社会を変える力がある
投票率を上げる作戦
シングルイシュー政党を作る作戦
フェミニズムを前に進めるために
田嶋先生と二階堂ふみさんの対談が尊い
日本の女性が怒れるようになった(#私たちは寛大すぎる)
女性にはどんな権利が必要? 「女の仕事」はどう生まれた? 多様で複雑なフェミニズムの論点を、多様で複雑なまま、でもわかりやすく伝えます。
===
帯テキストを入力ください(任意) *改行可 *内容の重複注意
なぜいつも男子がリーダーなのか
女性もバリバリ働くべき?
家事にお金を払ったら?
なぜ天才と言われる女性は少ないのか
整形っていけないこと?
性描写はやめるべきか
ーー実は、フェミニストの意見は分かれます
対立も矛盾もそのまま理解し、前に進むための超入門!
===
第一章 支配
第二章 権利
第三章 仕事
第四章 女らしさ
第五章 セックス
第六章 文化
第七章 断層線と未来
「文藝」86年ぶり3刷の2019年秋季号特集小説がパワーアップ!日韓最前線、12人の作家たちが響きあう。ベストセラー『82年生まれ、キム・ジヨン』のチョ・ナムジュが贈る、夫と別れたママ友同士の愛と連帯を描いた「離婚の妖精」をはじめ、覆面SF作家デュナ、松田青子による初邦訳作&書き下ろしを収録した決定版。
一冊の本に何度でも出会い直し、人生の糧にできる我々はなんて幸福なんだろう。──松田青子(作家)「私はフェミニストじゃないけど」って前置きにイラっとする人は全員読もう──小川たまか(ライター)育児のため新聞記者の夢を諦め、ライターとして働くステファニーは、果てしなく続く家事と育児と仕事に追われ、閉塞的な日々を過ごす。
就活・婚活、非正規雇用、貧困、ハラスメント、#MeToo……
現在の社会が見ないようにしてきた問題を、さらには、それと闘うはずのフェミニズム理論や社会運動からすらこぼれ落ちてきたものを拾い集めて、つぶやき続けるーー〈私〉が、そして〈あなた〉が「なかったこと」にされないために。
「弱さ」と共にある、これからのフェミニズムのかたち。
********
【目次】
はじめに ぼそぼそ声のフェミニズム
1 〈私〉から出発し、女性の貧困を見据えること
1 ないものとされてきた女性たち
2 教える/教わる「女性の問題」
3 シューカツを巡る〈大人〉の欲望のまなざし
4 取り散らかった「私の部屋」から出発する
2 女性を分かつもの
5 労働の「他女」/アカデミックなフェミニズムの「他女」として叫ぶこと
6 “偽装”婚活迷走レポート
7 「愚かさ」「弱さ」の尊重
3 新しい「運動」へ
8 「自立」に風穴を開けるために
9 「気持ち悪い」男・「気持ち悪い」出来事
10 真空地帯としての社会運動
11 「私も」(MeToo)を支えるもの
あとがき
〈やわらかいフェミニズム〉を考える
フェミニズムはどうなっているの? という問いかけがある。
フェミニズムの掲げた「反差別」「反性差別」「反暴力」「平等」「平和」を降ろすつもりはない。でも反教条的、反原理的、反強制的なフェミニズムを目指したい。
多くの段落を「?」にしたのは、正解はないと思うから。私の主張する〈やわらかいフェミニズム〉とはそういうもの。
自分との対話を始めてほしい。あなたのいるその場で何から始めようとやめようと自分の裁量で行ってください。
私たちは何が違っているのか、わからなければ話し合う。YES or NOでなく、想像力を働かせて支え合える関係を築きたい。時間は必要だろう。でも恐れずにそれを望みたい。
フェミニズムという言葉は知っているが、ちょっと距離を置いてきたとか、なんか厳しそうと、逡巡・疑問視している人にこそ手に取っていただきたい。
(はじめにより 河野貴代美)
はじめに(河野貴代美)
第1章 モザイク模様のフェミニズム(荒木菜穂)
第2章 差別する/差別されるという個人的体験
1 自分の物語から(河野和代)
2 在日朝鮮人三世という存在(高秀美)
3 差別について(河野貴代美)
第3章 次世代との交流におけるフェミニズム
1 インタビュー 子どもには自分の人生を生きてほしい(小川真知子)
2 インタビュー フェミニストも子育ては試行錯誤(加藤伊都子)
3 アメリカで起きていること(ゴードン美枝)
第4章 少女マンガに描かれたシスターフッド(小川真知子)
第5章 自由に、闊達に、謙虚に生きる
1 私が私になることと対男性との関係(河野和代)
2 女性たちはどのようにしてフェミニズムと出会うのか(加藤伊都子)
3 出会いを求めて(河野貴代美)
第6章 やわらかいフェミニズムの体験 執筆者座談会
終わりに(河野貴代美)
私たちはみな、資本主義という恒常的な災害の被災者である。
パン(金)も、バラ(尊厳)も、両方よこせ!
蔓延する新型ウィルス、パンデミック下で強行される五輪、そして顕在化する不平等や分断。私たちが直面している危機は、COVID-19 によるというよりは元来グローバル資本主義ないしネオリベラリズムという災厄によるものであるー
女性の活躍、ケア労働、路上生活、再開発、生活保護...あらゆる格差、貧困、分断の問題を最新のフェミニズムの視点から読み解き、国内外の事例から日常的で具体的な抵抗の方法を探る。気鋭の社会学者、初の単著。
1 パンとバラのフェミニズム/私たちはみな、資本主義という恒常的な災害の被災者である
パンとバラのストライキーローレンスの移民女性労働者たちのストライキ
「活」という名の妖怪ーパンを食わせずバラ(のようなもの)を差し出すネオリベラリズム
魔女は禁欲しないーパンもバラもよこせ!
パンデミックにおけるケアインカムの要求
2 個人的なことは政治的なこと/路上、工場、周辺の場から
紙の味
現代の屑拾い
無菌化された労働力商品たちの夜
「声」をきくことの無理
3 ジェントリフィケーションと交差性/日常の抵抗運動
クレンジングされる街で
猫のように体をこすりつけろ
抵抗する庭
「開発」と家父長制
差別の交差性(インターセクショナリティ)
路上のホモソーシャル空間
夜を歩くために
身体性に結び付けられた「女らしさ」ゆえにケアを担わされてきた女性たちは、自身の経験を語る言葉を奪われ、言葉を発したとしても傾聴に値しないお喋りとして扱われてきた。男性の論理で構築された社会のなかで、女性たちが自らの言葉で、自らの経験から編み出したフェミニズムの政治思想、ケアの倫理を第一人者が詳説する。
序 章 ケアの必要に溢れる社会で
第1章 ケアの倫理の原点へ
1 第二波フェミニズム運動の前史
2 第二波フェミニズムの二つの流れーーリベラルかラディカルか
3 家父長制の再発見と公私二元論批判
4 家父長制批判に対する反論
5 マルクス主義との対決
第2章 ケアの倫理とは何かーー『もうひとつの声で』を読み直す
1 女性学の広がり
2 七〇年代のバックラッシュ
3 ギリガン『もうひとつの声でーー心理学の理論とケアの倫理』を読む
第3章 ケアの倫理の確立ーーフェミニストたちの探求
1 『もうひとつの声で』はいかに読まれたのか
2 ケアの倫理研究へ
3 ケア「対」正義なのか?
第4章 ケアをするのは誰かーー新しい人間像・社会観の模索
1 オルタナティヴな正義論/道徳理論へ
2 ケアとは何をすることなのか?--母性主義からの解放
3 性的家族からの解放
第5章 誰も取り残されない社会へーーケアから始めるオルタナティヴな政治思想
1 新しい人間・社会・世界ーー依存と脆弱性/傷つけられやすさから始める倫理と政治
2 ケアする民主主義ーー自己責任論との対決
3 ケアする平和論ーー安全保障論との対決
4 気候正義とケアーー生産中心主義との対決
終 章 コロナ・パンデミックの後を生きるーーケアから始める民主主義
1 コロナ・パンデミックという経験からーーつながりあうケア
2 ケアに満ちた民主主義へーー〈わたしたち〉への呼びかけ
あとがき
参考文献